今度はそっち?ロマン・バルデが無線の禁止を訴える

Embed from Getty Images

英CyclingNewsは29日、AG2Rのエース ロマン・バルデインタビューを掲載した。同選手はチームと選手たちを繋ぐ「無線」を禁止するべきだと主張、またグランツールの1チーム人数を6人に減らす提案にも支持を表明した。

ロマン・バルデ:ある一定数の人たちが本当に懸念していることは、レースがあまりにも予想通りな結果になってしまうことだ。それが最も深刻な問題だ。

スカイの選手であれば、誰が出場してもツールで優勝しまう。そんな見られ方を主催者はを壊そうとしている。より予測不可能な展開を生み出すためにね。

そのためにイヤホン(無線)のない世界(レース)はとてもよいアイディアだと思っている。そうすれば選手自身の責任が少し増え、戦術センスや展開を感知する能力が向上するだろう。より緊張感を持つようになる。

無線から送られる情報から解放されることで、自転車選手はアスリートになれると思うんだ。

9月にアレハンドロ・バルベルデが優勝した世界選手権男子ロードでは、無線の使用が禁止され、レース終盤では名のある実力者たちによる、サバイバルで映える戦いが展開された。

そのレースで2位に入ったバルデにとって、自身に有利な展開となった手応えが、この無線禁止案を訴える理由の一つなったのかもしれない。

ロマン・バルデ:僕はイヤホン(無線)が、選手を多少受け身にしてしまうと思っている。無線からの情報を待たなければ、自ら動けなくなってしまうようにね。

もし無線がなければ、誰がどこにいるか確認し、危険な選手を視界に入れておかねばならない。そうすればレースがより激しくなる。より展開が不確実になる。

無線から受ける情報の多くが「残り80kmの地点では良いボジションを確保しろ」などだ。その同じ情報を180人が耳にするんだ。落車の危険性も高めるだろう。

Embed from Getty Images

また、ツールのディレクターであるクリスチャン・プルードムが訴えた「パワーメーター禁止案」に関して、バルデは賛成はするものの、それよりもUCI会長ダヴィ・ラパルティアンが提案したグランツールの出場人数を1チーム6人まで減らす案の方が、より効果的であるとコメントした。

ロマン・バルデ:(パワーメーター禁止案は)悪いアイディアだとは思わない。しかし、それも現状を変える魔法の解決方法になるとは思えない。

もう一度、数を減らそう。

そうすればチームがより困難に陥りやすくなる。ツールには少し極端な判断かもしれないけど、もし二回落車があれば4人まで減るんだ。それがスポーツだし、スポーツは時に残酷なものさ。

8人から6人に減れば180kmを同じテンポを保てない。集団コントロールも難しくなり、その分レースが面白くなる。

パワーメーター禁止案にはスペイン人のバルベルデや、モビスターに所属するキンタナなど早くから支持しており、先日にはコンタドールが正式に禁止案を支持を表明した。つまり、パワーメーターに関してはスペイン勢が中心となって反対している。

ここからは個人の推察だが、フランス人のバルデはそれらを踏まえた上で、あえて無線をやり玉に挙げ、同時にフランス人であるUCI会長のラパルティアンが訴える「6人制ツール」の案に賛成したのではないだろうか。

もしこれで他のフランス人選手が無線禁止に同調したら面白いのだが…残念なことに現在のプロトンにはバルデに並ぶ影響力のあるフランス人選手はいない。

現行のルールに手を加えるしか、チーム・スカイの牙城を崩せないこの状況が、逆にスカイの圧倒的な強さを引き立てていて個人的にとても面白い。