【翻訳】2018年ワールドツアー・チームの自転車をざっくりレビュー

CyclingTipsがツアー・ダウンアンダー(1月16日〜21日)で行った、ワールドツアー各チームが2018年に使用する自転車のレビューレポートを訳しました。

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カーリー・フレッツ(以下CF):いまツアー・ダウンアンダーに来ているんだ。これから2018年シーズンの各チームの新しい自転車を見ていこうと思う。今季はあまり”目新しい製品”がないって聞いているけど、実際はどうなんだい?

デヴィッド・ローム(以下DR):まず基本的なところだと「シマノのワールドツアーチームの独占」がまだ続いている。18チーム中14チームがシマノのコンポーネント(ブレーキやギヤ周辺の部品)を使っているんだ。さらにシマノはパワーメーターの分野でもその勢力の拡大を狙っていて、早速複数のチームが「SRM→シマノ」に代わっている(昨季FDJのみから今季は6チームまで拡大)。

CF:力づくか資金力か、あるいはチームが単純にシマノ製品のことが好きなのかな?本音はわからないけど。

DR:また、同じシマノ製品でも正式なスポンサーなのか、それとも自転車メーカーが採用(購入)しているだけなのかはわからない。例えばスペシャライズド(ボーラ・クイックステップ)はメーカーが採用しているが、BMCやスコット(ミッチェルトン)は公式提供されている。また(EFDDのように)ギヤのセットがメーカーで統一されていない自転車もある。AG2RFACTOR(ファクター)などもそうだ。SRMのクランクに、セラミックスピードのBB、リアディレイラー(セラミックスピードのOSPW)をよく見ても、絶対に提供じゃないよな。

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CF:EFエディケーション・ファーストは長らくシマノを購入していたね。だってキャノンデールのグループセットとクランクセットだったし。

DR:タイヤでもそれ(シマノの提供か否か)がわかる。EFは今季ホイールをマヴィックヴィジョンに変更している。

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CF:さて、ここにはカチューシャのCANYON(キャニオン)だ。何か変わったことは?

DR:特に新しいことはないかな。強いて言えば、ここがSRAMからスポンサーされている唯一のチームになってしまった。だからSRAM好きにとっての選択肢はカチューシャのキャニオンしかなくなってしまったな。ちなみにeTapだ。

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CF:君はeTap好き?

DR:…ああ。もちろんじゃないか!

CF:それにカチューシャはチューブラータイヤ(チューブをゴムで包み込み丸くしたタイヤ、パンク修理がほぼ不可能)を使っている。ジップの454NSWだね。

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DR:あと言っておかなければいけないのが、今回のツアー・ダウンアンダー(TDU)では通常よりディスクブレーキが少ない。TDUに持ってこられる部品を限られているからね。選手でリムとディスクブレーキが半々だったら、スペアの用意も倍になるだろう?だからディスクブレーキのバイクが少ないんだ。

CF:あっ、グライペルだ。いま我々の近くをグライペルが通った。すげぇ筋肉。プロの自転車選手のほとんどが小さい子どもみたいな体型してるのに、グライペルは違うよね。すごい身体。

ごめん、ごめん。さて、続けよう。

DR:ミッチェルトン・スコットは去年のバイクを持ち込んでいる。(フォークに)オリカのブランドロゴが付いたままだ。恐らくオーストラリアでレースに乗ったあとは、ここでバイクを売っていくのだろうな。

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CF:えっ?!これ買えるの?

DR:この後カデル・エヴァンス(グレートオーシャン・ロードレース)があるから、売るのはその後だろうけどね。

CF:それは楽しみだ。次はビアンキ。それほど変化ないかな?

DR:ロットNLユンボはサドルをフィジーク(サンマルコ)に変えたぐらいだ。

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CF:選手に同情してしまうよ。公式のサドルスポンサーがいるチームの…。オフレコで選手がチームに文句言った話も聞いたことあるし。

DR:選手にとって、チームが営業してほしくないのがサドルスポンサーだろうね。

CF:トレックはどう?

DR:トレックはここにディスクブレーキで乗り込んできた数少ないチームだ。ディスクブレーキはそれ専用のタイヤや部品が必要だから大変なのにね。

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CF:トレックといえば先日プレスリリースがあって、チームは基本的にディスクブレーキにするらしい。でもリムを使いたい選手の意思は尊重するらしいよ。でもメカニックは色々と大変そうだね。

つぎはボーラ(スペシャライズド)だ。サガンだ。ここはどうだい?

DR:ほとんど変わらないが、サガンはリムブレーキを使っている。新しい所といえば、パワーメーターがスペシャライズドになった。他の選手もだし、それはクイックステップの(スペシャライズド)もだ。昨季まで使っていた4iiii(フォーアイ)のパワーメーターにそっくりなのだけど、スペシャライズドはパワーメーターを始めた(本気になった)んだろうな。

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CF:4iiii(フォーアイ)とスペシャライズドは仲良しって聞くしね。あっ、ポッツォヴィーヴォが通った。彼はグライペルとは真逆の体してるよね。えっと、まだボーラについて何かある?

DR:コンピュータがWahoo(ワフー)になった。カチューシャもだ。Wahooにとっては初めてワールドツアーチームへの正式提供になる。新しいパワーメーターとコンピュータが導入されたということは、選手はそれに慣れるのが大変だろうね。

CF:シーズン序盤はそれに(練習やレースが)費やされるだろうね。シマノの独占されていく中、プロトンで頑張っているのがK-EDGEKエッジ)というアメリカの小さなメーカーだ。これについて教えてくれ。

DR:ガーミンのマウント(フレームに固定する部品)としてよく知られているメーカーだ。公式・非公式含め、ここの製品を使っているチームは本当にたくさんいる。見た限りでは全チームがK-EDGEのナンバープレートホルダーや、フロントマウント、チェーンキャッチャーを使用している。ロゴは削って隠したりしているけどね。

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CF:次はBMCだ。今季、各チームの顕著な変更がパワーメーター周りだけど?

DR:BMCは長い間SRMを使っていたが、新しいシマノ・デュラエースに変更した。それに伴いヘッドユニットを探さなければならなくなったから、オフィシャルかどうかはわからないが(SRMから変更して)ガーミンを使っている。それに合わせてマウントもガーミンになっている。

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CF:ステムとの空力もよく考えられたマウントになっているね。聞く話だとコックピットの空力性能はとても大事らしいねあっ、大丈夫だよ。何も盗まないから(笑)。ごめんごめん。知り合いのBMCのメカニックが通ったもので。

えっと、なんだっけ?そうそうコックピットの空力だ。だからエアロなハンドルバーが導入されてきている。

DR:ああ、エアロな形をしたハンドルも多くなってきてる。ステムと合わせてね。それに、ステムとハンドルが一体化したものも導入されてきてる。例えばキャニオンやスペシャライズドもそうだ。FSAにスポンサーされている自転車もそうだね。まだハンドルバーにコンピュータを上手く収める解決策の模索は続くかな。

CF:風洞実験した自転車の前にでっかいガーミンが突き出ているのは、なんとも滑稽だよね。

DR:ああ、空力的に良いわけがない。

CF:実はTDUの取材の合間に自転車乗っていて、シフトケーブルが切れちゃったからどこかのチームにスペアを分けてもらえないかと聞いたんだ。でも無理だった。なぜだから分かる?

DR:18チームの全てが(ワイヤレス)電動コンポだから。

CF:正解!つまり全チームの全選手が「Di2EPSeTap」のいずれか電動コンポを使っているんだ。手動コンポは全滅だ。悲しいね。悲しくない?電動も好きだけどさ。

次はサンウェブのジャイアントだ。どうだい?

DR:ジャイアントはホイールを自社ブランドにした。男子チームの為に開発したもの(SLR0カーボンエアロホイール)らしい。チューブラータイヤで、リムがどこ製かはわからないけど大体がジャイアント製になっている。

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CF:ジャイアントはシューズも自社に切り替えてきたよね。

DR:まだ正式名称などあまり詳しいことは明らかになっていないけど、軽く、丈夫で、履き心地のよくなっている…はずだ。笑

CF:ハブ賞を与えるならディメンション・データ(サーヴェロ)だろうね。ここまでとても長い道のりだった。

DR:CHRIS KING(クリス・キング)社のSour Apple(サワーアップル)のハブ、セラミックベアリング羨ましい。

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CF:同感。チーム・スカイのピナレロはどうだい?

DR:ピナレロが一番変更があったね。まずはコックピット(ハンドル周り)がPROからピナレロ・ブランドのMOSTになっている。つまりピナレロのオリジナル色が強くなったということだ。

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CF:ということは、シマノを購入して組み合わせているの?

DR:いや、シマノはまだオフィシャルのスポンサーだよ。だけど、パワーメーターのSTAGES(ステージズ)も公式なスポンサーだから、ここにはちょっとした議論があるらしい。だから自転車には引き続きSTAGESが載っているが、シマノの公式スポンサードされている。

CF:これぐらいかな。詳細や続きはぜひロームの書いたレビュー記事を読んでくれ。

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・Cyclingtipsのレビュー記事

・辻啓さんによるレビュー記事(1〜6)