2017年ツール第1ステージ(個人TT)を制したゲラント・トーマスのインタビュー。

 

いよいよ始まった2017年ツール・ド・フランス。

初日の個人タイムトライアルを制したのは、3連覇を目指すクリス・フルーム(スカイ)の絶対的アシストことゲラント・トーマス(31歳・ウェールズ)。

記者会見でのインタビューが彼のキャラクターを表すシニカルで素敵な受け答えだったので、翻訳しました。

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ー(黄色ジャージを着ていることを)信じられる?

いや、信じられないよ。

プワ。

ミラノ〜トリノは今年最初の不運(チームメイトのホイールが大破する事件)があったし、ジロも酷かった(停車した警官のバイク激突し落車リタイア)。だから今日は何もなくてよかったよ。

ペースを保って走った。これが僕の弱点だったから、それから沢山学んだよ。

プフッ。

僕の後に出走した強い選手を観ながら「きっとこの選手に抜かれるだろう。じゃなかったらその次の選手が抜くだろう。」とその都度思ってた。

昨日ベッドに入るときも、大好きなツールのプロローグを楽しもう、ここにいられることに感謝しようという気持ちしかなかった。

フゥ。

だから、まだ信じられない。正直、まだ衝撃を受けているよ。

ージロを棄権した後、どのタイミングでこのツールに切り替えようと思えたの?

ベストな状態で来ようと思っていた。良い仕事ができるようにね。確かにレースが観れないような状態だった。落車した後、検査を受けるため5,6日間マンチェスターに行ったんだ。その後、モナコに戻った。でもツールがあったからトレーニングができた。モチベーションになったよ。でなかったら今頃3,4kgは太っていただろうね。笑

信じられない。まだ信じられないよ。今日は素晴らしい日だし、間違いなくジロの悲劇を埋めてくれる出来事だ。

ー長い間そのジャージを身に着けたいとは思うけど、チームにはリーダーのフルームがいる。個人としてのゴールは何だい?

(僕の仕事は)何も変わらないよ。フルームが黄色ジャージを着ていようが、僕が着ていようが、何も変わらない。彼をトラブルから回避する。何日か着ていられるかもしれないが、それでも素晴らしいことだよ。総合勢との争いは厳しいだろうし、できるだけ上位にいたいが、フルームのために力を尽くすよ。

とにかく、(今日勝ったことが)信じられないよ。

ーもしジロで落車をしていなかったらピンクジャージを着れたと思う?結果的に勝ったのはクライマーではないデュムランなわけだし。

難しいけど、コンディションは最高だったし、どうだろね。

プフー。

ここで「ポディウムの上にいただろう。」なんてことは言いたくないし、何より彼らに失礼だからね。それはあまり考えたくないし、起こったことは起こったことで、次に向かわなくちゃいけなしね。それがツールで、これが僕のモチベーションを起こしてくれたんだ。

ーホットシートに座り、40人の選手が走る姿を観る気分はどんなものだった?

あまり他の選手のタイムは見ていなかったね。見れなかった。だからわざとチームスタッフと違う話をしてたよ。ホットシートでもすぐに他の選手に抜かれると思ってた。素晴らしい気分だったが、同時にここ最近で一番緊張したよ。

ーマイヨ・ジョーヌを初めて着用した気持ちと、明日からのプランを聞かせて。フルームの後ろを走る?

プフー。

わからないけど、

ウフー。

クレイジーだよ。素晴らしい気分だ。10歳のときからツールを観ていて、それが自転車を好きになったキッカケだったんだ。

8回目のツールで、12回目のグランツールだ。それではじめてステージ勝利ができたことは、本当に信じられない。

 

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〜追記〜

これが初めての翻訳エントリで、自転車ロードレースに関する翻訳をするキッカケとなるインタビュー。

また、当初はゲラント・トーマスの勝利が決まった直後のインタビューだったのですが、その動画が見つからず、また内容もほとんど重複していたので、修正版では記者会見でのインタビューを翻訳しました。ツールで一勝するということが、またマイヨ・ジョーヌを着用するということが、選手にとってどれほど価値があることなのかを実感できるインタビューでした。

その後、彼の自伝を読み、ますます好きになっていきました。これは彼のシニカルな性格が存分に出ているので、決して読みやすくはありませんが、一つの章が短くコンパクトなので、飽きずに拾い読みできる本になっています。Gファン必読です。