「長いソックスは正義。」ウィギンスが語る自転車ロードレース”ファッション論”

自転車ロードレース界を代表するファッションセンスの持ち主として知られているサー・ブラッドリー・ウィギンス(イギリス/37歳)。

彼が運営するイギリス籍のコンチネンタル・チーム『チーム・ウィギンス』が、2018年中にRaphaとの提携を終了し、同じくイギリスの元選手ヤント・バーカーが運営するブランド『Le Col』と新たなキット契約を結ぶことを発表した。

同時に、新しい自転車ファッションブランド『Le Col by Wiggins』をスタートさせる。

それに伴い、ウィギンスとバーカーによる自転車ロードレースのファンション対談が行われ、興味深かかったのと単純にウィギンスが好きなので、一部抜粋して訳した。

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ーー白のジャージはあり?なし?

ウィギンス:白色のジャージは嫌いだ。

バーカー:あれ?でも白のスキン・スーツ着ていたよね?

ウィギンス:あれはタイムトライアルのスキンスーツだ。あれに白はマッチすると思う。TTにはキットを始め、比較的新しい技術やデザインが多く取り入れられるからな。

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バーカー:僕も白よりも、黒やネイビーが好きだね。

ウィギンス:確かカヴェンディッシュが初めてアルカンシェル・ジャージに”黒のパンツ”を合わせた選手だったと思う。

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バーカー:ホント?!

ウィギンス:2012年(スカイ所属時)だ。黒のヘルメットに黒のバイク。だから白のアルカンシェルがとても映えていた。

ーー長いソックスはあり?なし?

ウィギンス:俺がまだ10代の頃、確か1996年だったと思うけど、シルビオ・マルティネッロ(イタリア)というアトランタ五輪のポイントレースチャンピオンが”長いソックス”を履いていたんだ。それを観て、俺は翌年の1997年に長い白いソックスを履き始めたんだ。確かそれで、君を負かしたよな?

バーカー:そうだった、そうだった。笑

ウィギンス:長いソックスを自転車界に持ち込んだのはイタリア人だろうな。

バーカー:でもプロトンに定着するまで時間がかかったよね?

ウィギンス:そうだな。その後もチームから支給されるのは短いソックスばかりだった。だから折り返しの部分をほどいて、できるだけ長くなるよう工夫したものさ。

バーカー:君の長い足には長い方が似合ったのだろうね。

ウィギンス:その後、2009年のツールに黒のソックスを履いた選手が現れたんだ。俺の記憶ではそれまで黒なんてプロトンの中じゃ誰も履いていなかった。その後、ガーミンが黒を支給したんだ。だから俺も2012年のツールで黒ソックスを履いた。それも長いやつだ。

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ウィギンス:当時ソックスの長さに関しては議論があったが、いまなんてみんなロングソックスを履いてる。例えば、2010年のジロでスカイは皆スキンスーツを着用したんだ。しかしチームメイトのがモリス・ポッソーニ(イタリア)が反対した。「タイムトライアルでもないのになんでスキンスーツなんだ!」ってな。だけど、いまはどうなった?

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バーカー:しかも、そんな昔のことじゃないだろう?

ウィギンス:そうだ。そうやってファッションは発展していく。誰か一人が切り開き、数年後にはファッションの常識となるんだ。

ーーいままでで最悪のジャージは?

バーカー:(現役の頃は)チームにサイズを11月に伝えて、1月に新しいジャージがくる。それを見て「…なんだこれは。」って最悪な気分になっていたよ。

ウィギンス:俺はクレディ・アグリコル(2008年に解散した仏籍チーム)の緑が…とにかく…スマートじゃなかった。グリーンのジャージにグリーンのパンツ、たまにその当時の写真を見返すが、あれは…。

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バーカー:プロは支給されたものを着なければならない。選択肢はない。それが、引退後にデザインする欲求の源になっているのかもね。

ウィギンス:カラーはスポンサーの色に左右されてしまうからな。

バーカー:だけどいまは自分でデザインして、好きな色を選べる。それが売れるかどうからわからないけどね。笑

ーーデザインのインスパイアはどこから?

ウィギンス:昔のジャージから得ることもある。赤、白、青とシンプルなデザインだからだ。

ーーファッションで憧れていた選手は誰?

ウィギンス:パトリック・セルキュ(ベルギー/東京五輪で金メダル獲得*写真左のピンクの選手)かな。彼はジャージをカッコよく着こなしていた。他にはフランコ・バッレリーニ(イタリア/ルーベ制覇95,98年)やマペイ時代のアンドレア・タフィ(イタリア/ルーベ制覇99年)、ショーン・ウァランス(イギリス/トラック選手のミニマルなデザインも良かった。

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バーカー:僕はインデュラインかな、チッポリーニのインパクトも強かったけど。

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ーーウィギンス、君はビンテージ・ジャージの収集家らしいけど?

ウィギンス:そうなんだ。特にビンテージは、実際にレースで着用されたという事実が大事だ。それに素材は近年のジャージにはないものがある。シンプルだし。

90年台からだろうね、今のような様々なパターンや色使いがされるようになったのは。

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『Le Col by Wiggins』特設ページ ↓

Raphaによるウィギンス・ジャージ ↓


自転車ロードレースを観たことないプロのデザイナーに2017年のWTチーム・ジャージを批評してもらった過去エントリ ↓

最近のウィギンス ↓