【翻訳】世界一の逃げ屋トーマス・デヘントが語る「6つの極意」

1. 準備しろ

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チャンスを見逃すな。俺は前日の夜に必ずステージを予習する。コースプロフィールを確認し、アタックできる場所を把握している。序盤の登りが狙い目だ。そして一度逃げに乗ったら全力でタイム差を広げろ。

もちろん、そこには運も必要だけどな。

(2018年)ツールのコースプロフィールはまだ確認していないが、見れば逃げるポイントなんて明らかだろう。逃げれそうなステージ、さらに最後まで先頭集団に残れそうなステージがな。

良い逃げができるのは、適当な強度(設定)と、いくつかの登り、それに残り20km辺りに大きな登りがあれば理想的だ。

そうすればスプリンターは早々と脱落し、総合勢も追走してこない。今季のツールにそういうステージが2、3つあれば逃げにとっては嬉しいことだ。

2.粘れ

最初のアタックが決まることがあれば、一度アタックが110km、25回以上仕掛けられても決まらないこともあった。

特に平坦ステージで逃げは難しい。皆がスリップストリームに入れるし、それほど脚を使わなくてもついてこれるからな。また多くのチームが逃げに選手を送りたい場合なども、アタックが激化し難しくなる。

2017年ツールの多くのステージでは、最大3回のアタックで逃げに乗れたが、逆に10回目でようやく決まるレースもあった。もちろん運がよければ1回目で決まることもあるけどな。

3.徒党を組む相手を知れ

逃げに乗りたい奴はニュートラルゾーンでわかる。逃げに興味ない選手が最初から集団内の位置なんて争わないからな。

だからシャバネル(38歳/ディレクト・エネルジー)やカミングス(37歳/ディメンション・データ)を見れば、今日の予定が大体分かる。奴らのアタックに付いていけば、逃げに乗る確率は大幅に上がるだろう。カミングスはプロトンの中でも強い選手だ。だから奴のアタックには是非ともついていきたいな。

強い選手を観察し、位置を上げたりアタックし始めたらその動きに合わせるようにするんだ。

2017年ツールのバルデ(27歳/AG2R)が勝ったレース(第12ステージ)だったか、オレとカミングスが集団の先頭近くの位置を取り、スタートの合図で飛び出し、逃げが成功したんだ。その他に10人ほどの選手もついてきた。

お互いの意図が一致し上手く協調できた例だろう。

4.自分の体調をチェックしておけ

逃げに乗る乗らないは、コース特性以上に”自分のコンディション”で決めるべきだ。

前日の夜では身体へのダメージが分からないから、当日の朝に見極めるんだ。前日の夜に、コースプロフィールを確認してスプリント勝負に持ち込みたくなるような平坦コースだったらそのまま寝るが、逃げれそうなレイアウトだったら興奮とやる気がみなぎってくる。それが逃げ屋の性ってものだ。

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5.協調は必須だ

逃げ集団でオレを嫌う奴はいないが、逃げが上手くいってステージ勝利がチラついてくると話は変わってくる。それまで協調していた選手たちが一瞬にして敵に変わるんだ。

逃げの序盤でオレを脱落させるメリットは少ないが、以前『ツール・ド・ロマンディ』でAGR2の若いフランスの小僧にふり落とされたことがある。長い登りで辛そうにしていたオレを見て、そいつはスピードを上げやがった。オレが最後まで集団にいるのが嫌だったのだと言っていたよ。

逃げ集団は協力し合うのが普通だ。残り距離が少なくなるまではな。なのにあのヤロウは)

 6.最後にリスクを取れ

タイム差にもよるが、残り40kmの地点から逃げ同士の「駆け引き」が始まる。

モホリッチ(23歳/当時UAE/現バーレーン・メリダ)が逃げ勝った2017年のブエルタ第7ステージでは、(逃げ集団内が)ラスト20kmから動きだした。突然、何人かの選手が交代で先頭を引く際にわざとスピードを緩め、牽制を始めたんだ。しかし、残り25kmまではみな積極的にだったからこそ(メイン集団とのタイム差が10分以上あったのにも関わらず)逃げ勝利が決まったのだろう。

フィニッシュに近づくと、全員が「スプリントで勝つのはオレだ、でもリスクは負いたくない」と考える。しかしオレはそこまでのスプリント力を持っていない。

アレッサンドロ・デ・マルキ(31/BMC)も強い選手だが、すごく速いわけではない。だから勝てるかどうか分からないスプリント勝負ではなく、その前にふるい落とすのが理想的だ。2017年のブエルタ(第ステージ)はスプリントで勝ったけどな。それも速い選手たち相手にだ。

だが、もちろん単独フィニッシュが、理想の勝ち方だ。

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2018年3月21日の『ボルタ・ア・カタルーニャ』第3ステージ。レース序盤から逃げに乗ったデヘントは、ラスト約20km地点から独走。今季一勝目を掴み取った。

Source: CyclingNews