「エヴェネプールが使ってたからさ」
3月14日のパリ〜ニース以降、新型コロナウイルスの影響で全てのレースが中止・延期されているなか、作年アワーレコードの世界記録を更新しNTT所属に移籍したヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー/28歳)が、自身のYoutubeチャンネルで今季から乗るBMCのエアロロード「SLR01 DISC」について語った。
試してみたかった
バイクレビューの中でもカンペナールツが特に詳細に語ったのが、シフトレバーが内側に傾き、ハの字をしたENVE(エンヴィ)のハンドルだ。
via:Youtube
カンペナールツはシフトレバーをハの字にした理由をこう語る。
「正直に言うと、作年レムコ・エヴェネプールがこのハンドルで信じられない成績を残していたから、試してみようと思ったんだ」
レムコ・エヴェネプール(ベルギー/ドゥクーニンク・クイックステップ)は、同じベルギーの20歳の若手選手。
昨季2019年にプロデビューを果たすとハンマーシリーズ(リンベルグ)で異次元の強さを見せ、直後のベルギーツアーであっさりとプロ初勝利と総合優勝を上げた。
その後、クラシカ・サンセバスティアンでワールドツアー初勝利から、なんとヨーロッパ選手権の個人TTで欧州王者ジャージを獲得してしまう、ベルギーの超新星となったプロトン再注目の選手だ。
そのエヴェネプールを語る上で欠かせないのが、元U15ベルギー代表のサッカー選手という異色キャリアと、ハの字に傾いたハンドルだ。
理にかなっている
このハの字ハンドルをカンペナールツは人間の生理学上、理にかなっていると力説する。
「腕を(何も考えずに)前に出してみると、手のひらは下を向くはずだ」
「だからシフターが内側に傾くのは理にかなっている」
「この方が握り心地がよい」
またカンペナールツは、ロードバイクでエアロポジションをとった際にハンドル上部が握りやすく、さらに傾きにより手首の下がハンドルにつくので、エアロに適しているのだと言う。
特にエアロ形状で幅面積の広いENVE(エンヴィ)のハンドルバーでは、その恩恵に預かることが可能になるとも。
TTスペシャリストのカンペナールツにとってロードバイクでより自然に、より快適(無理のない姿勢)にエアロポジションが取れるハの字のエンヴィハンドルは有効なのだ。
カンペナールツやエヴェネプールよりもハの字なハンドルを使うヤン=ウィレム・ファン・シップ(現ビートサイクリングクラブ)は、空気抵抗が少なくなり10~15ワットの節約効果があると過去に語っている。
コメント返しがエグい
シーズンが中断した2週間前にチャンネルを開設したカンペナールツ。登録者数や再生回数はこれからといった数字だが、驚くべきはその更新頻度(一日に最高5本)と、ほぼ全てのコメントに返信するマメさだ。
ベルギー人のカンペナールツだが、動画では英語で話しているので、英語で質問すれば高い確率で世界記録保持者からアドバイスがもらえるチャンスだ。