選手が発信する際に注意すべき10つのポイント

100人以上の選手が出走するのに、勝者は1人と世知辛い競技こと「自転車ロードレース」。

そのためレースで自分が「どんな役割or走りをしたか」のアピールが、ファンやサポーターを増やす上で重要になってきます。

昨年は日本人選手による発信が活発になったシーズンだと思いました。その要因が東京五輪なのか、はたまたリーグの分裂なのかは分かりませんが、良い動きだと思いながら楽しんでおりました。

 

しかーし、みんな!!

雑!!!

あまりにも発信が!!雑だよ!!!

 

 

 

いい感じ風の写真にテキトーな文章つければフォロワー(≠ファン)が喜ぶほどお前に興味ねーから!!お前が練習の合間に飲むカプチーノの写真に価値はねー!ゼロだゼロ!無だ無!

 

 

いま一度、あなたがた選手の発信を受け取る「こちら側(潜在的ファン)の気持ち」について考えてみましょう。

 

1、勝て

身も蓋もないことですが、発信に価値をつける最も手っ取り早い方法です。強ければ多少雑な投稿でも許されます。強豪揃いのレースで表彰台とかではありません。勝利です。優勝です。更にいえば、自身の勝利を目指していない選手の発信に価値はありません(ワールドツアーなら話は別だけど)。

いや、ロードレースにはアシストという役割があってだねぇ…とか知らん知らん。黙って勝て勝て。

んなにこっちの目の肥えたスポーツじゃねーからよ。

2、その時の感情を述べよ

冷静なレースの分析よりも「悔しい!」「ムカつく!」「興奮した!」「嬉しい!」「泣いた!」など感情を中心に発信しましょう。

その瞬間にあなたが持った感情こそが伝えるべきコンテンツであり、俯瞰したレースの振り返りとかどーでもよいです。

冒頭で言ったように、サッカーや野球と違いロードレースは勝利が非常に難しいスポーツのため負ける(勝利に絡まない)選手が圧倒的に多い、ある意味特殊なスポーツです。

レースには悲喜こもごもあらゆる感情が渦巻いているのでしょ?

それをあなた目線で発信してください。それがネガティブだろうがポジティブだろうが関係ありません。「悲喜のバランスを〜」なんて浅はかな考えはいりません。それが出来るほど文才あるならあなたのフォローは1万人を有に超えています。

レースや練習で持った感情をどうすれば上手く、臨場感を持って伝えられるのか?

それがアスリートが発信すべきコンテンツです。決してあなたが練習中に飲むカフェラテではありません。

 

お前の顔が千葉雄大なら話は別だがな?

 

3、時間帯に応じた発信を

ある若手選手のインタビューに「投稿する時間帯を意識している」とありました。

素晴らしい。これぞ令和のアスリートが持つべき意識です。

ただもう一歩踏み込むべきで、受け取る側の生活を想像すると吉です。例えばこんな感じ。

 

朝→頑張ってる系
夜→困難に陥ってる系

 

朝にSNS見る人はみんなやる気ないので、異国や極寒で「めっちゃキツい練習終わった!」みたいな投稿がよしです。

逆に夜は皆さん仕事終わって余裕あるので、同情を誘う「こういう困難あるけどこうやって頑張ってるよ」みたいなストーリーな投稿が共感されます。

試してみてね。

4、人間味を消す

投稿を競技に関わることだけに絞って下さい。

あなたが強くなること(勝利)に直結しない発信はNGです。

愛車(自動車)自慢や料理自慢、コーヒー自慢などの〇〇自慢なんていらんいらん。

私生活を伝えるほど、競技者としての魅力が伝わっていますか?

「強くなるための努力」を発信してください。

「今日は仲の良い〜選手と一緒に練習しました」とともにセルフィーの報告とかいらんいらん。その相手が新城幸也でない限りその投稿に価値はありません。ねーよばーか。

練習について投稿するなら機材を映した写真とともに、その日の反省点や改善点(レースでの失敗を引き合いに出すと尚よし)を具体的かつ平易な言葉で綴ってください。

そしてメインはあくまで感情だよ!

 

そこらへん沢田時が抜群に上手いんだけど何で?

 

5、ワンオブゼムという意識

あなたは自転車選手です。自転車が人生のすべてです。

しかしフォロワー(ファン)は違います。

我々にとって自転車競技は、数多ある趣味の一つに過ぎません。

TLであなたの発信と並ぶのは同じ自転車選手ではなく、コムドットのやまと(Youtuber)であり、遠藤さくら(アイドル)であり、伊藤美来(声優)であり、堀口恭司(総合格闘家)です。

ここと勝負するのです。

面白くもない、可愛くも(かっこよく)もない、強くもないあなたが、この人たちの発信に並ぶのです。

つまり、訴えかけるべきはあなたの感情しかねーっす(あと機材)。

あなたの物語を訴えるのです。

このマインドセットの違いは投稿内容(視点)に大きく影響しますよ。

あんま上手く言語化できねーなこれ。

6、結論を先、より具体的に。

下手な人の文章は結論までが長い。それに加えて抽象的で何言ってるのかわからない。

逆に上手い文章は結論から始まり、とても具体的です。だから増田成幸のインタビューは面白い。

「レース中盤の登りで〜」ではなく「11周目、〇〇の登りで××が△△したタイミングで~」と書き(インタビューでも答え)ましょう。

「結論先&めちゃ具体的に」の意識は、文字数が限られるSNSであれば尚更重要です。

この投稿は何を伝えたいの?何のために投稿するの?これって「何かを発信したいからした投稿」になっていない?

いま一度自分の投稿する目的を見つめ直しましょう。

 

7、為末大に学べ

結論(伝えたい感情)はある。だけどそれを説明する言葉が見つからない。

その行為は言語化と言います。そして不足しているのは語彙力です。

しかし「語彙力=たくさん言葉を知ってる」ではありません。

アスリートにとっての語彙とは「この感覚に当てはまる言葉」です。そして、その多くはあなたが普段使っている言葉で表現可能です。

例えば、為末大が言う「同期」や「固定」などなど。

 

為末大の真似しろという意味ではありません。別にNumberを読むでもいいですが、トップアスリートがする身体感覚の言語化に触れることは、自分の発信にめちゃくちゃ役立ちます。指導にもね

為末大は現役時代から自分の感覚に平易な言葉を当てはめる活動をしており、この分野ではトッププロです。つまりパクるにゃ最高です。

ただ、真似するのは「言葉」であり為末大のスタイルではないのでご注意を。あなたの哲学は誰も求めていないので。

 

 

 

…10個もなかったわ。