ついに中国が動き出した。
その名も「the Global Cycling Project(通称GCP)」といい、初の中国籍ワールドツアーチームを創設し、2025年までにツール・ド・フランスでの中国人選手による勝利を目指す。
GCPによるコンセプト動画
具体的には2020年のワールドツアー参加を目指し、企業名は明かされていないが、中国の単独スポンサーによるワールドツアーチームが誕生する予定だ。
このプロジェクトの中心となるのは、イギリス自転車連盟強化プロジェクトで、立ち上げからテクニカル・ディレクターとして参加し、チーム・スカイでもその手腕を奮ったシェーン・サットン(61歳/オーストラリア)。
彼はチーム・スカイを離れ、いまは中国自転車競技連盟のトラック強化プログラムで指揮をとっている。
また、MTNクベカ(現ディメンション・データ)で監督や、ユーロスポーツの解説でお馴染みのブライアン・スミス(51歳/スコットランド)もコーチとして携わる。
GCPのCEOであるティム・ケイは目標をこう語る。
「GCP(グローバル・サイクリング・プロジェクト)は、世界で最も巨大な自転車チームを目指すビジョンと情熱で、中国初のワールドツアーチームを実現するプロジェクトである。」
中国の自転車チームとしては過去にチャンピオン・システムという、現在のプロコンチネンタルチームにあたるカテゴリで2010年〜2013年まで活動していた。*前日本選手権個人TT王者の西薗良太元選手が所属していたチーム
また、中国と自転車ロードレースで思い出されるのは、2016年末に中国のTJスポーツがランプレ・メリダのタイトルスポンサーに名乗り出るも、直前で取り消しになり、結果的にUAEが引き受けてUAEチームエミレーツがスタートした件だろう。
現在はミッチェルトン・スコットの下部チームである中国籍コンチネンタルチームミッチェルトン・バイクエクスチェンジが活動中で、7名の中国人選手が所属している。
しかし、ワールドツアーのチームに所属する中国人選手はバーレーン・メリダに所属するワン・メイイン(29歳)の一人だけ。
中国は2010年代より、国内サッカーに多額の資金を投入し強化を図っているが、世界のスター選手を獲得できていても、国内選手の活躍は全くと言っていいほどうまくいっていない。
その二の舞とならず、イギリスとチーム・スカイのように目覚ましい活躍を見せるのだろうか?