3月29日(金)にベルギーで開催されたE3ビンクバンク・クラシック。
ドゥクーニンク・クイックステップのボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)の大活躍により、ゼネク・スティバル(チェコ)が勝利。チームはクラシックで早くも4勝目を上げた。
ドゥクーニンクによる見事なチームワークの他にも、ペーター・サガンのサムズアップや、解説していた土井雪広氏による「これで(スティバル)負けたらクビでしたね」などの名言も生まれ、ハルのクラシックの中でも地味だという評判に反して大いに盛り上がった E3・ビンクバンク・クラシックだったが、その裏でファンの注目を集めた選手がいた。
ハの字ハンドル
それがオランダのプロコンであるルームポット(プロコン)に所属するヤン=ウィレム・ファン・シップ(24歳/オランダ)…の、ハンドルだ。
194cmと長身のファン・シップはトラック選手として今年3月に行われたトラック世界選手権にも出場し、ポイントレースで金メダルにも輝いた有望な若手選手。
しかし、彼の握るハンドルの形状が、とてもワイドなのだ。
ここで詳しい写真をみることができる → VeloNews
驚くほど ハの字 かつ、内側にグイッとネジ曲がっている。
この変形ハンドルにはロット・スーダルのアダム・ブライス(29歳/イギリス)も驚きツイートしている。
We can’t wear really long socks… but we can ride with leavers like this. 🤦🏻♂️ pic.twitter.com/jPjuOCw4hl
— Adam Blythe (@AdamBlythe89) 2019年3月29日
なんでこんなバンドルが認められて、ロング・ソックスがダメなんだ!?
*UCI(国際自転車競技連合)は、今季からソックスの長さ規定を厳格化した。
ハの字ハンドルを使う理由
そもそもなぜヤン=ウィレム・ファン・シップはこの”ハの字”ハンドルを使うのだろうか。
オランダメディアのインタビューに対し、同選手はこう答えた。
「自転車に乗っていると自然と手首が内側に傾くんだ。でもそれは良くない乗り方だと思っていた」
「しかし、計測してみたら効果的だったんだ。空気抵抗も少なくて、同じスピードで走るのに10〜15ワットも節約できた」
「僕はとても大きい(194cm)から、長く深いハンドルが欲しかった。でも、ロードバイクには短いものしかなかった」
そこでファン・シップは自ら理想のハンドルの設計図を制作し、それをチームスタッフに送ったところ、2つのプロトタイプが製作された。
設計図と呼ぶには雑すぎて面白い。
しかし、プロトンの中にはその独特すぎる形状に反対する選手もいるようだ。
「パリ〜ツールを走っていたら突然ボワッソンハーゲンが横にやってきて『普通ハンドルにしろ!』と悪態をついてきたんだ」
激しい戦いが繰り広げられている春のクラシックだが、是非ともルームポットのオランダ人(のハンドル)にも注目したい。
めっちゃくちゃデカいので、すぐに見つけられるはずだ。