まぁホビーレーサーには関係ない話ですわ。
開幕から1ヶ月が経過した2019年シーズン。機材周りで一番注目を集めているのは、カンパニョーロとSRAMが今季から投入したリア12段変速対応のコンポーネントだが、その影に隠れるように5つのワールドツアーチームが”完全ディスクブレーキ化”を果たした。
*ディメンションデータはタイムトライアルでリムブレーキを使用する。またトレックもTTでは不明
これに加え、バーレーン・メリダもヴィンチェンツォ・ニバリやローハン・デニスなど一部の有力選手を除き、全選手がディスクブレーキを使用している。
言い換えれば、この6チームはフレームメーカーの影響力が強いチームだと言うことができる。*トレックはメーカーそのものだけど
全面解禁から二年目
2015年8月に試用期間として開始したディスクブレーキ。
しかし翌年4月のパリ〜ルーベで、フランシスコ・ベントソ(当時モビスター)が落車時にディスクブレーキのローターで負傷したことにより、廃止議論が高まった。
だが、メーカーはローターに丸みを帯びさせることで安全面を向上させ、そしてついて昨年2018年7月に全面解禁となったのだ。
ディスク化の功罪
説明不要だろうが、レースでのディスクブレーキのメリットとしては、雨天でも制動性が安定すること、またホイールのリムを軽量できる点や、リムブレーキと比べて小さな力で制御できるのも、プロの世界では小さくない違いだろう。
しかし一方で、ディスクが片方についていないことによる左右に生じる微妙な重量バランスの差や、ホイールを固定する規格がクイックリリースだったのものがスルーアクスルになることで、特にリアホイールの交換に時間がかかることが懸念されている。
また、リムブレーキとディスクブレーキが混在するプロトンで、ブレーキタイミングが異なることで起こる落車を不安視する声も多い。
絶対王者スカイの選択
プロトンでディスクブレーキへの移行が進む中、この流れに逆行するようにリムブレーキを使っているのが、グランツール4大会連続総合優勝を果たしたチームスカイだ。
使用するピナレロ社は”プロレースにおけるディスクブレーキの必要性”に否定的であり、「あくまでも勝つための選択をチーム(スカイ)にまかせている」と発言している。
また、今年はチームスカイが使用するピナレロのTTバイクのフラグシップモデル「BOLIDE TT」がフルモデルチェンジする年であり、いままでリムブレーキ一本できているピナレロのフラグシップにディスクブレーキを採用するかが注目されている。*発表は今夏予定
2019年シーズンは5チームが完全ディスクブレーキ化に踏み切った。果たして2020年シーズンは、新たに何チームが加わるのだろうか。
Source: CyclingNews, Cyclowired, CyclingTime
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