自転車ロードレース界で多大な影響力を持つ最強の個人ブログ『InnerRing』が、毎年恒例となるチーム・スカイの財政状況についてレポートしてくれた。
それによると2017年チーム・スカイの予算は、
52.4億円(£34.5M)
これは2016年の44.5億円に比べ11%増。2010年のチーム発足時の18.4億円に比べると、なんと185%増となった。
内訳を見てみると、人件費(選手やスタッフ)だけで43.3億円に及んでおり、予算の約83%を占めている。
また、今季ツールの総合優勝者ゲラント・トーマスと3年の契約延長を結んだことで、その予算が昨年以上となることは確実であるとInnerRingは予想している。
自転車ロードレースで予算を公表しているチームがほとんどいないのにも関わらず、なぜチーム・スカイの予算が毎年公表されているのだろうか?それはスカイがイギリスの会社であり、同国では法的に必須要件であるからだ。
では、他のチームはどうなのだろう?
例えば、EFエデュケーションファーストのジョナサン・ヴォーターズGMは、この記事を受けてこうツイッターにつぶやいた。
Folks don’t believe me when I say Sky has a $50M budget. Well, if the trend is correct, that’ll be the case in 2018. 😳 https://t.co/24mqCNfxGh
— Jonathan Vaughters (@Vaughters) 2018年9月18日
「みんな、僕がスカイの予算を$50M(約56億円)って言っても信じないでくれよ。まぁ、この傾向のままいけば2018年の予算はそれぐらいいくのかもしれないけどね」
このツイートに対し、ファンとジャーナリストがリプライでツッコんだ。
|
ファン:「正確な金額は言わなくていいけど、10-20M(11億~23億円)の間?」
|
ヴォーターズGM:「そう、その間だ」
|
ジャーナリスト:「11-19M(12億~21億円)? 」
|
ファン:「12-18M(13.5億~20億円)?」
|
ヴォーターズGM:「近くなってきたーーー!!!」
ちなみにこのチーム予算の規模を把握するため、日本国内のプロスポーツと比較してみると大体以下のようになる。比較した金額が予算ではないことを強調しておきたい。
2017年プロ野球日本一ソフトバンク年俸総額 → 55億円
鹿島アントラーズの営業利益(2017年) → 52億円
ヴィッセル神戸の営業利益(2017年) → 52億円
川崎フロンターレの営業利益(2017年) → 51億円
*為替レートは該当年度末で計算しています。
ーーーーーーーーーーーーーー
2012年から6年間で5度のツール・ド・フランスを総合優勝しているチームの資金として、この52億円は高額と言えるのだろうか?
たしかに10億〜20億と言われている他のチームと比べると倍近くの差があるが、この金額はサラリーキャップ(選手年俸制限)を導入するべきと訴えるほどなのだろうか?
個人的には発展途上である自転車ロードレースにおいて、資金が豊富なチームが勝利するということは競技の発展にとって重要だと考えるのだが(でないとスポンサー集まらないだろうし)…どうやらこのスポーツは、いま以上の発展を望んでいないようだ↓↓↓