引退したコンタドールは今、なにをしているのか?

 

「現役のトップフォームから6kg増えた。違う、正確には6.5kgだ」

現役生活を過ごしたスイスから、故郷のスペイン・ピントに戻ってきたアルベルト・コンタドール。

首都マドリッドの南に位置するこの街は、自身と妻であるマカレナの家族が住んでいる所からほど近いのだという。

「ピントでは割と平穏な生活を送れている。街の人々もとても優しいしね。写真を一緒に撮ってほしいと言われるときも、ここの人たちは僕に尊敬を持って接してくれるんだ。

何人かと一緒に自転車に乗るのだけど、レースがないとエネルギーが余ってしょうがない。乗るとピントの街を疲れ果てるまで、全速力で走るんだ。トップスピードでぶっ飛ばして標識までスプリント勝負。そんなことをしているよ」

 

 

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切れの良いスプリントを見せるコンタドール(恐らく向かって左) 

現役を離れたいまも自転車には乗っているようで、その生活の充実ぶりがインタビューからも伺える。

「現役の頃と比べ体重が6.5kg増えたのだけど、それに加え上半身を鍛えているんだ。もう体重がレースに与える影響を考えなくていいからね。

それに、全てにおいて100%だった現役の時とは違い、美味しいディナーと二、三杯のワインを飲むという普通の生活ができるようになったのがとても嬉しいんだ。

いま色んな所へ旅しているのだけど、もうホテルや飛行機のエアコンや、時差の影響で夜通し起きていたとしても、体調の心配をしなくていい。(引退して)生活の全てが根本から変わった。100%自転車に注いでいた生活から、全てを思う存分楽しめるように変わったんだ。100%ね」

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今年のシーズンでは、度々その姿をファンの前に見せるコンタドール。先日のブエルタでも中継でファンにサインをする光景が映し出されていた。

コンタドールはいま、何をしているのだろうか?

「いまは個人スポンサーがいくつかあって、トレックのアンバサダーも務めている。近日にはポルトガルでイベントにも出席するし、ASO(ツール主催者)にも協力していてエタペ・デュ・ツール(アマチュア選手たちがツールと同じコースを走行できるASO主催のレース)にも出席する予定だ。いずれは日本やタイ、コスタリカやメキシコでも同様のレースが開催されるかもしれない。

もちろん解説者としても活躍している。

それにユーロ・スポーツでレースの解説も始めたんだ。自転車が好きだから解説で(選手への)不満なんて言えないんだけどね。観ているのは楽しいし、色んなレースが観れるのは良い機会になっているんだ」

また、自転車関連とは異なる活動として、コンタドールは2012年に財団を立ち上げた。

これは自身が現役時代に患った脳血腫をきっかけとして始まった取り組みで、脳卒中への啓蒙を進めている。

(発作の)兆候を知ってもらうための教育が(財団の)大きな目標だ。そうすれば、脳卒中を未然に防げるようになる。僕は2004年に発症した。ずいぶん前のことだが、いまの自分の立場であれば人々に意識向上に貢献できると思うんだ。

スペインでこの症状が二番目に高い死因だということを、多くの人はまだ知らない。女性では最も高い死因なんだ。癌より高いんだ」

そして、今年2月には自身が出がけるコンチネンタルチーム「ポーラテック・コメタ」を発足させた。

「ただのジュニアの集まりのようなチームにはしたくなかった。だからと言って成果に追われたり、成長を急かされるようなのも嫌だった。選手それぞれにあった自然な速度で成長すればそれでいい。このチームは、僕がやりたいからやっている。そうすれば、僕が自転車競技というスポーツで得たものを還元できる」

チームには監督として、かつてのチームメイトであるイヴァン・バッソ(ジロ総合優勝2006年、2010年)が務めている。

「ジュニアレベルから選手を育てていくことは非常に大切だと思っている。この活動を継続していけば、プロコンチネンタルチームになることもそう遠くないと考えている。それか、もし良いスポンサーがつくようなことがあるのであれば、ワールド・ツアーも考えられる?かな」

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「いまでも全速力だ。生きる上で、それ以外の選択肢はない。

立ち止まって何もしないなんて嫌だからね。

今日が人生最後の一日のように生きなければらないと信じているんだ」  

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一部抜粋し翻訳した記事はこちら↓(*太字引用者)

コンタドールが現役時代を振り返るエントリはこちら↓