欧州人が語る、プロトンにおける別府史之の存在感

中根英登も出場し、トレック・セガフレードのジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア/33歳)による逆転総合優勝で幕を閉じたツール・デ・アルプ=マリティーム・ エ・ドゥ・ヴァール(2.1)。

多くのレースが中止になった影響で、2クラスにも関わらずゲラント・トーマスやゲイガンハート、GVA、キンタナなど多くのビッグネームが揃い、レベルの高い戦いが繰り広げられた。

第3ステージは終始アップダウンしかないコースが目まぐるしい展開を生んだものの、シーズン序盤ということもあり、実況と解説は移籍選手やチーム紹介に時間を割いた。

NIPPOと共にやってきた

残り54km地点、今季よりデルコからEFエデュケーションNIPPOに加入したジュリアン・エルファレス(フランス/35歳)がメイン集団から遅れ始めると、話はEFエデュケーションNIPPOに移った。

ホセ・ビーン(オランダ人実況者):

「集団からフランス人のジュリアン・エルファレスが遅れ始めた。彼はNIPPOと共に(デルコから)EFエデュケーションに移籍してきた選手だ。その他にもスポンサーと共に加入した選手がいる。EFのジョナサン・ヴォーターズGMが南フランスのチームからスポンサーを連れてきたという事実は、非常に興味深い」

「サイモン・カー(イギリス/22歳)も、同じくデルコからやってきた選手の一人だ。それに加え二人の日本人選手も加入した。なぜならNIPPOは日本企業で、そういったこと(スポンサーと共に選手が移籍するの)は珍しくないからね。スポンサーがチームに母国人選手をリクエストするのは当然のことだ」

「その中でもフミ・ベップ(別府史之)はこのレースには出場していないが、豊富な経歴があり、プロトンのどこにでも居場所がある選手だ。とても素晴らしい選手で、多くの選手から尊敬を受けている」

マット・ステファンズ(元GCNのコメンテーターとしてもお馴染み):

「NIPPOは大きな事業会社で、長年に渡り自転車競技に関わっている。1990年初頭からコンチネンタルチームにスポンサードしている記憶があるね。そしていまワールドツアーチームのスポンサーになったことは素晴らしい。もちろんそうした理由から日本人選手を連れてきたのだが、今年のEFエデュケーションNIPPOには本当に国際色豊かな選手たちが揃っているよ」

戦力ダウンも通常運転

今年のEFエデュケーションNIPPOは、主軸だったクライマーのマイケル・ウッズ(米国/34歳)や、ワンデーレースのエースだったセップ・ファンマルク(ベルギー/32歳)がイスラエルに移籍。昨年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネの総合優勝者ダニエル・マルティネス(コロンビア/24歳)もイネオスに奪わるなど、明らかな弱体化を見せた。

しかし、NIPPOをセカンドスポンサーに迎え、それに伴いデルコから別府史之と中根英登、ジュリアン・エルファレスとサイモン・カーが加わっている。