自転車ロードレースで英語を学ぶ方法を本気で考えてみた

GCNがレース中継に参入したことで、日本に住んでいても気軽に英語実況を楽しむことができるようになりました。いままではJsportsのツール中継しかなかったですからね。

しかし、英語実況を楽しむためには英語を学ばなければなりません。

そこで自転車ロードレースを英語学習に活用する方法を本気で考えてみました。

イギリス英語を学ぶべし

自転車ロードレースの本場はもちろん欧州。プロトンの主流は、我々に馴染み深いアメリカ英語ではなく、イギリス英語になります。

アメリカ英語とイギリス英語の差を例えるならば、ShimanoとSRAMの違い。その思想や仕様に差があるものの、情報伝達(コンポーネント)という役割は同じです。スペルの読み方はイギリス英語の方が日本語に近い(ものが多い)という特徴もあります。

プロトンでアメリカ英語を話す選手はマイケル・ウッズやセップ・クス、元選手ではランス・アームストロングなどが挙げられ、イギリス英語はゲラント・トーマスをはじめ…めちゃくちゃ沢山いますよね。ちなみにマン島出身カヴェンディッシュの英語は難易度Sランクのラスボスです。

そんなイギリス人の中でもオススメ選手は、典型的なロンドン・アクセントを話すテイオ・ゲイガンハート。

MLE(多文化的ロンドン英語)やコックニー2.0とも呼ばれる彼のアクセントは、主に30代以下のロンドン出身者によって使われ、ロンドンを中心に標準になりつつあるイギリス英語です。日本語で言えば標準語みたいなもの(超ざっくり)。自分は日本語の勉強する外国人にヒカキンの動画(訛りがなく言葉選びが丁寧)をオススメしているのですが、そんな感じです。

彼の英語を基準すれば、その他のイギリス人(サイモン兄弟等)やオーストラリア人(ユアンやポート等)、英語が流暢な欧州人(デュムラン等)たちの英語がマッピング(テイオより聞き取れる/取れない)しやすくなるかもしれません。

最初はアメリカ英語との違いに聞き取りづらさもあるとは思いますが、聞き込めば慣れます。

GCNを字幕で聴くべし

英語を聴き流すだけでリスニングができるようになれば、本屋にあれほどリスニング教材本は並びません。

リスニングとは、耳から入ってくる英語を「意味のある音」に変換(音声知覚)すること。要するに「音と意味を一致」させる訓練を積むことで、リスニングは向上します。

なので、意味も分からない英語をひたすら聴いても、学習効果は薄いです。

その為に最適な教材なのが、皆さんご存知GCN。

良質なイギリス英語が、字幕付き(自動生成ですが精度はめちゃくちゃ高い)で見ることができます。Youtube設定から字幕の自動設定をオン。

発せられる英語(音)を字幕(単語)と合わせるトレーニングは、リスニング向上にめちゃくちゃ効果的です。

ちなみにGCN RACINGのメインコメンテーターであるダニエル・フロイドさん(↑に出てくるおじさん)の発音も、滑舌のよい綺麗なブリティッシュ英語です。好き。

英文読解からは逃れられない

先述したように、リスニングは英語の音を知覚することで意味の塊になり、理解に繋がります。

しかし、その単語・熟語・フレーズを知らなければ理解はもちろん知覚することもできません。

つまり、我々が受験勉強で苦しめられた英文読解をクリアしないと、リスニング力は向上しないのです。非常に残念なお知らせです。

もちろん留学や現地に住むことで「読み」をすっ飛ばすことも可能ではあるのですが…効率は最悪です。

例えるならば、サイコンやパワーメーター、心拍計等を一切使わずに富士ヒルのシルバーを目指すようなもの。不可能ではありませんが、闇雲なトレーニングは効率悪いですよねー。一部の変人を除く

リスニング向上のために「英文を読解する力」は必須なのです。とても残念です。

選手のコメントを拾い読む

英文読解をするサイトでオススメなのは、内容が簡潔で癖のないCyclingWeekly。

ただ、選手のコメント以外は読む必要がありません。

クォーテーションマークと呼ばれる「”」(←コレ)の中だけを読み、理解できるようになりましょう。

例えばこれはマチュー・ファンデルプールが勝利したストラーダ・ビアンケの記事。下線部のマチューのコメントだけ読めばOK。それ以外の文章は補足説明でしかないので、無視でいいです。レース観てれば展開知ってるし、何より英語が難しいし。

CyclingWeekly: Rivals quake as Mathieu van der Poel hopes Strade Bianche ‘is just the start’ this spring

わからない単語や熟語は、その意味と発音を調べてメモ。その単語は自転車関連の英文を読み続ける限り今後も出会う可能性が高いので、優先的に覚えちゃいましょう。一回で覚えられるわけないので何度も出会ってその都度繰り返し覚えましょう。

また、多少面倒くさくても発音をGoogleやWeblioで聴いて確認するのが大切です。このひと手間をかけるか否かで、リスニングスキル向上に大きな差が生まれます。面倒くさいけどね

ちなみにGoogleやWeblioの音声はアメリカ英語がメインなので、Oxford Learner’s Dictionariesがオススメです。青い音声マーク(BrE)を押すとイギリス発音、下の赤い音声マーク(NAmE)でアメリカ発音が聴けます。2つを比較できる楽しいサイトです。

おまけ

リスニング向上には英文読解が必須。その為には英単語を覚えなければなりません。

「英単語を覚える」という行為も、詳しく見れば三段階に分けることができます。

第1段階:英単語を見て日本語で意味が分かる&日本語を見て英単語が出てくる

第2段階:英単語の発音を聴けば日本語が浮かぶ

第3段階:思い浮かべた日本語の英単語を発話できる

リスニングに必要なのは第2段階まで。なので、知らない単語に出会った時は必ず発音も合わせて確認するのが近道です。

また、発音の確認で一番大切なのはアクセントの位置です。英単語の上についてて強勢の位置を表している「チョン」です。

実はあれ、リスニングをする上でめちゃくちゃ大事なんですよね。RとLの発音分けなんてできなくても英語は通じますが、強制の位置を間違って発音すると理解してもらえません。

「発音できない単語は聴き取ることができない」という文言を聞いたことあるかもしれませんが、これ7割ぐらいあっています。聞き取れない音を自分で作れるようになると、自然と耳に意味として入ってくるんですよねー。不思議です。

あと、イギリス人アレックス・ドーセットのYoutubeはめちゃくちゃ有益です。単純に面白いし。たまにフルーム出てくるし。