クイックステップ ”も” 解散の危機?なぜ自転車チームの経営は脆弱(ぜいじゃく)なのか

今度はクイックステップだ。

今シーズン、ここまで54勝を上げ(8/15日現在)、春のクラシックではツール・デ・フランドル、フレッシュ・ワロンヌ、リエージュ~バストーニュ~リエージュで勝利。ジロ・デ・イタリアではポイント賞、ツール・ド・フランスでは山岳賞、そして5人が各国のナショナル王者に輝いた。

ワールドツアーチームの中で圧倒的な強さと結果を見せているクイックステップ・フロアーズ。

そんな最強チームもいま、メインスポンサー探しに苦しんでいる。



クイックステップのGMであるパトリック・ルフェーブルは、チームの現状をこのように語る。

「クイックステップは向こう三年のスポンサー契約を約束してくれている。だが、(メインスポンサーではなく)セカンドスポンサーになりたがっているんだ」

そして、

「まだメイン(ファーストネーム)スポンサーは見つかっていない」

ベルギーの床材メーカーであるクイックステップは、2003年からメインスポンサーについており、2012年〜2016年こそオメガファルマ(ベルギーの製薬会社)に譲ったが、2017年から再びメインスポンサーについている。

 

先日のツール・ド・フランスの第2回目の休息日では、ドイツのLidlを招きノンアルコールビール「Maes 0.0% 」をプロモーションを行ったが、メインスポンサーに名乗り出る予定はないそうだ。

ルフェーブル:

スポンサーがどこの国のどんな企業かなんて気にしない。中国だろうが、モンゴルだろうがな

クイックステップのチーム予算は約23億円(€18M)で、約50億円とも言われるチームスカイの約半額だ。

メインスポンサーが見つからない影響から、8月15日現在で新加入選手は若手ベルギー人のレムコ・イーヴェネポエル ただ一人。

「ボーラ(ハンスグローエ)がマクシミリアン・シャッハマン(24歳/ドイツ)を欲しがっていたが、本人に残留の意思がありまとまらなかった」

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また、モニュメントの一つであるツール・デ・フランドルで今季優勝したニキ・テルプストラ(34歳/オランダ)に至っては、契約更新ができていない状況だ。

ルフェーブル:

「ニキ(テルプストラ)はいまだ保留中だ。新しい資金が獲得できれば更新できるのだけどな。もし現れなければ問題勃発。ニキは猶予をくれると言っているが、それほど長くも待っていられないだろう」



昨年ツール・ド・フランスで総合2位に輝いたリゴベルト・ウラン(31歳/コロンビア)を擁するキャノンデール・ドラパック(現EFエデュケーションファースト)が、ブエルタ期間中にタイトルスポンサーが見つからず、企業に対するPRの目的でクラウドファンディングを行った。

その活躍とは関係なく、毎年のようにチームが消滅する自転車ロードレース。その脆弱な構造とはどのようになっているのだろうか?

 

次回エントリにつづく。

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