路面を濡らし選手の体力を奪う雨と、落車するほどの強風のなか行われたヘント〜ウェヴェルヘム(ベルギー)。
レース序盤から逃げに乗り、74位でフィニッシュしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、バーレーン・マクラーレン)がレース後「このレースが最後になるかもしれない」と涙ながらにコメントした。
Parece que o amigo Cavendish pode estar perto da retirada.
Para mim é o maior sprinter de todos os tempos, mas preferia tê-lo visto sair em grande do que esta saída à pressa na zona mista da Gent-Wevelgem.pic.twitter.com/bn6eF9iX8x— Gonçalo Moreira (@gmoreira_esp) October 11, 2020
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ーーマーク。今日はとてもハードな一日だったようだが、どうだった?
カヴェンディッシュ:………。
ーーとても感傷的になっているようだけど…今日はどんなレースだった?
カヴェンディッシュ:…これが、選手人生で最後のレースになるかもしれない。だから少し…
ーーこれが最後のレースって、本当に?
カヴェンディッシュ:ああ。そうなるかもしれない。
来季の契約は決まっていない
今年で35歳になったマン島の超特急は今季ディメンション・データ(現NTT)から、キャリアの初期にコーチだったロッド・エリングワースが代表を務めるバーレーン・マクラーレンへ移籍。
恩師の指導のもと復活が期待されたものの、今年は2年連続でツール・ド・フランスの出場メンバーから落選。来季以降の契約も決まっていない。
カヴェンディッシュによる上記のコメントを受け、GCNのインタビューに答えたエリングワースは、「まだ話し合っているところだ。今シーズンの(コロナ禍)状況のため、(チーム編成に関する)すべてがシーズン後半にずれ込んでしまっている。マークも他の選手たちと同様に契約は切れることになるが、話し合いは進んでいる」とコメント。
またエリングワースは、「マークはおそらく引退後について考える歳になってきた。彼は望んでいたほど成功したシーズンを送れていない。このあと数週間が(契約のない)選手たちにとって重要になってくるだろう」と語っている。
「引退はまだ早い」
2018年2月のドバイ・ツアー第3ステージ (HC)を最後に勝利がないカヴェンディッシュ。
移籍した今年も走りにキレはなく、レース中断明けは幾つかのレースでエースを任されるも、終盤リードアウトの選手たちにすらついていけず、チームメイトが後ろを振り返りカヴェンディッシュを探すシーンが何度か見られていた。
このニュースに対して盟友ブラッドリー・ウィギンスは「(引退するという)決断がマークではなく、誰かの手にあるように見える。俺が見たいのは勝利とまでは言わないまでも彼のキャリアを祝福する形の引退レースが見たい。レース後に泣くような終わり方はしてほしくない」
「彼は自転車レースが大好きなんだ。あと10年レースする環境を与えれば喜んで走るだろう。でも、選手は皆かつて出来たことが出来なくなる時がくることを知っている」
「しかしまだ彼の居場所は(自転車界に)あるはずだ。その役割がチームの精神的支柱なのかわからないが、彼が夕食の席にいるだけで、彼の名がスタートリストにあるだけで…」
「とにかくマークはいまのように過小評価されるべき選手ではない」とコメントしている。
終盤に入ったワールドツアーも残り僅かとなり、あとはロンド・ファン・フラーンデレン(10月18日)とブエルタ・ア・エスパーニャ(10月20日〜)、ドリダーフス・ブルージュ〜デパンヌ(10月21日)を残すのみ。
しかし、いずれかの出場メンバーにカヴェンディッシュが入るかは不明だ。