「ツール7連覇したあとに3位になる気持ち?…クソだ」ランス・アームストロングによる2018年ツール第18st評

 

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ジョージ・ヒンカピー:

どうやらクリス・フルームは頂上から降りてきた一番最初の選手だったみたいだね。フィニッシュと同時にレインコートを着て、ボディガードと一緒にすぐ降りた。だから、フルームが憲兵が一番始めに見かけた下ってくる選手だった。

ランス・アームストロング:

恐らく何度か口頭で警告をし、それに従わなかったら力づくで降ろした。これに関しては誰が悪くて、誰が正しいという話じゃないが…

レインコートを着ていたとしても、クリス・フルームだと分からないなんてことあるのか?

んなわけないだろ。

ヒンカピー:笑。

ランス:その後、憲兵がスカイのホテルに謝罪しに訪れたらしいな。

ーーこの出来事の写真をツイッターに投稿したスペイン人に連絡したら、投稿していない写真を何枚か送ってくれたんだ。これとか見てみてよ。引きずり降ろされる直前の写真だ。グルパマFDJの選手とチームカーが上がってきている。


via : 2018 TOUR DE FRANCE STAGE 18

ヒンカピー:うーん。誰かレース中の選手が登ってくる時は、下る選手は止まるのが一般的かな。

ランス:この日クリス・フルームは、自分の思い描いていた一日じゃなかっただろうから、いつもの辛抱強さも無かったのかもしれない。

ーークリス・フルームの怒っている映像もあるよ。

ランス:ホントか?見よう見よう。

ヒンカピー:確かに彼が着てるジャケットだと一目で選手だと分かりづらいな。僕やランスだったらすぐにフルームだって分かるだろうけど、この山にはたくさんの観客がいたからね。

ランス:それと同じステージで、ゲラント・トーマスが残り1km地点付近で、柵に身を乗り出したAG2Rのジャージを着たファンがゲラント・トーマスに触ろうとしている写真が拡散された。俺は、ツがどうその危機を回避したのか分からない…

別に、自分の贔屓にするチーム、嫌いなチームを作って応援するのはいいが、触るのはだめだ。そんなことしたら、ASOは麓から山頂までずっと柵を設置することになるぞ。そんなレース見たいか?クソみたいになるに決まっているだろ。誰も幸せにならない。

ヒンカピー:柵があってもこれだからね。

ランス:ゲラント・トーマスは賢い選手だ。だからもうコースの端を走らない方がいい。真ん中を走しって近づかない方がいい。



ーーこのツール期間中、BMCがチーム解散の危機に瀕していた。そして見事新しいスポンサーを見つけたわけだけど、これはここにいるジョージ(・ヒンカピー)のチームでも直面する可能性のある問題なんだよね?君のチームはどのランクに属しているんだっけ?

ヒンカピー:プロフェッショナルな自転車チームには3つのレベルがあって、コンチネンタル、プロコンチネンタル、そしてワールドツアーチームがある。ワールドツアーチームは優先的にレースに出場することができて、グランツールは自動的にきまっている。僕たちはその一つ下のプロコンチネンタルチームだから、レースに出るためには主催者に選んでもらわなくてはならないんだ。そして今年はブエルタを狙っているよ。

僕はチームのレベルを上げる為に毎日を過ごしているわけだけど、アメリカによるアメリカ人が大半を占めるチームを作りたいんだ。若くて良いアメリカ人選手のいるチームだ。その為には、良いパートナーやスポンサーが必要なんだよ。

ランス:この番組ではBMCの状況についても話してきた*番外編としてまとめる予定です。そしてアメリカのプロコンチネンタルチームとして10年以上活動してきたユナイテッド・ヘルスケアというチームが解散しかかっている。この自転車ロードレースというスポーツは、常にスポンサー獲得という問題に直面してきた。

ヒンカピー:現行のシステムではチームに価値を生み出すことが難しくなっているのだけど、AG2Rによる調査によれば、ツールだけで100億円の広告効果があると言っている。つまり、それぐらいの価値があるということだ。

ランス:よし、こうしよう。もしジョージ・ヒンカピーのチームへのスポンサードに興味がある人は、この番組にメールを送ってきてほしい。

ヒンカピー:やった!

ランス:まぁ当然、紹介料として10%はいただくけどな。

ヒンカピー:その話のった!

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ーー明日の話をしよう。正確な言葉は覚えていないのだけど、どうやらフルームはエースがゲラント・トーマスであると認めたようだね。みんなの目から見ても明らかな事実をね。

ヒンカピー:ゲラント・トーマスのマイヨジョーヌを守る為に全力を尽くすと言っていたね。

ーーそれ、信じられる?

ランス:まぁ、もしゲラント・トーマスにバッド・デイがあったら、フルームは好き勝手走るだろうな。その権利もあるだろうし。

ーーでもそのバッド・デイも分かりやすくないとね。

ランス:そうだな。そして明日は、とてもとても険しい山岳ステージだ。天気をまだ調べていないが、まだこのツールで一回も雨が降っていない。

ヒンカピー:スカイはいつものように、ライバルたちが仕掛けられない一定のテンポで集団をコントロールするだろうね。今回も序盤からのし仕掛けは嫌がっているからね。

見ての通り、ゲラント・トーマスはいまだバッド・デイがなく、弱点らしいところは一切見せていない。僕は明日も何も変わらない気がするね。上位の三人に関しては。

ランス:天気はどうやら良いらしいな。また明日もチームスカイのショーになるかもな。集団を支配し、モスコンを失っていても何も影響ないだろう。

ヒンカピー:それに、今日はキンタナが酷い落車をした。その回復具合も分からないしね。あれがなければ、調子が良さそうだったから良いライバルになったかもしれないのに。

ーーそしてログリッチェ(28歳/スロベニア)だね。興味深いのが、ログリッチェにとって総合3位は大健闘で大喜びなことなのに、クリス・フルームにとっての3位は本当になんでもないことなんだよね。同じ3位なのに、面白いね。

ランス:だが、チームにとってはポディウムに選手が2人いるってことは大きいだろうけどな。

ヒンカピー:ツールを7連覇して、3位になる気持ちはどんな感じなのかちょっと話してよ。

ランス:クソだ。(即答)

一同:大爆笑

ランス:クソでしかなかった。特にあのコンタドールの馬鹿野郎が一位に立っていたんだぞ?信じられない。

ジョージ、ここでそんなクソなことを言う必要なかっただろ?君はクビだ。出ていってくれ。

一同:爆笑



ーーこのツールで特筆すべきことは何だい?

ランス:ロットNLユンボかな。彼らの将来には特に注目したい。

ヒンカピー:僕は、ゲラント・トーマスとフルームの関係性かな。フルームはジロを走って優勝した。そして多くのストレスによってか、彼のいまトップコンディションではない。一方、ゲラント・トーマスは今年と全く同じ調整で来年のツールに挑みたいはずだ。これは…興味深い。

ランス:クリス・フルームの終わりの始まりかもな。

ヒンカピー:僕はそうは思わないな。1か月前クリス・フルームがジロでやったことを覚えているでしょ?

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ーー最後にリスナーから質問というか、指摘がきている。

「ゲラント・トーマスはウェールズ人です。イングランド人ではなくウェールズ人です。どうか間違えないでください。それはジョージ・ヒンカピーがペルー人だと言っているのと同じです!」

…だって。

ランス:…は?…ん?えーっと。

ジョージはニューヨーク出身で、俺はテキサス出身だけど、同じアメリカ人だよな?だよな?えーっと…

ヒンカピー:僕に聞かないでね。僕もそこら辺がよくわかっていないから。

ランス:Wikiをみる限りでは、ゲラント・トーマスはウェールズのカーディフと南グラモルガン出身らしい。えっと、これはイギリスとは違う国なのか?全然わからん。

ーージョージはちょっとの間、黙っててね。これとても面白いから。

ランス:いやいや、俺だって、スコティッシュがいて、ウェリッシュがいて、アイリッシュに南と北がいることぐらいは知っている。…なんだ?

間違っていたらゴメンな。謝るよ。

わかった。いまゲラント・トーマスのwikiのウェールズというリンクに飛んでみた。そしたら…マジか。

ウェールズって国だったのか?!

一同:爆笑。

ランス:それならこのリスナーが怒るのも無理はない。ウェールズはイギリスの一部なのか!

…そして、グレートブリテン島?

もうわからん。俺にはなんのことかさっぱりわからない。

ーー君たちが現役の頃はフランスとかスペインとかイタリアばっかりだったもんね。

ヒンカピー:ああ。地域によって文化も言語も違うし。

ランス:それにスペインだったら、カタルーニャとかバスクとかあるし、ブルターニュとかは知っているが、

とにかくウェールズが国だっていうことはわかった。

また明日!

 

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・一部を抜粋し、回を重ねるごとに意訳の割合が増えながらも訳した音源はコチラ↓

・ウェールズとイギリスとの関係性に関してはコチラ↓