毎日新しいジャージ着ればよくない?ランスの2019年ツール第6stレビュー

2019年ツール・ド・フランスで最初の山岳フィニッシュとなった第6ステージ。160kmの短いコースに7つのカテゴリ山岳(1級3つ、2級2つ、3級2つ)が並んだ。

レースは逃げに乗ったバーレーン・メリダのディラン・トゥーンス(ベルギー/27歳)が勝利。そしてトレックのジュリオ・チッコーネ(イタリア/24歳)は惜しくも競り負けたが、タイムを稼いだことによりジュリアン・アラフィリップ(フランス/27歳)からマイヨ・ジョーヌを奪い取った。

意外性のアラフィリップ

今ステージで勝者争いと並び注目を集めたのが、総合勢による今大会初の山頂フィニッシュでの戦いだ。残り4km地点でメイン集団からワレン・バルギルがアタックし、その後ミケル・ランダがカウンターで飛び出すも、残り1kmを切ったところでジュリアン・アラフィリップに捕まってしまう。そのアラフィリップもフィニッシュ手前でゲラント・トーマスとティボ・ピノーの抜かれてしまったものの、マイヨ・ジョーヌへの執念を感じさせる見事な走りを見せた。

ランス・アームストロング:アラフィリップの走りは素晴らしかったな。今日みたいにタフなステージは彼にとっては加速のしやすい完璧なコースだった。

ーージョージ(ヒンカピー)は(アラフィリップを)ポディウム候補だとも言っているけど、君もそう思う?

ランス:いや、俺はそうは思わない。しかしヤツは今日のMVPだ。確かに黄色ジャージは失ったが、予想していない走りだった。むしろ今日は正反対が起こると思っていた。有力勢の前を行くのではなく、後ろを走っていると思っていた。

新しいジャージは嫌い

ライトウェイト製の高級ホイールが導入されスポンサー変更による資金増額が証明されたチームイネオスだが、彼らのマージナルゲインは機材だけではなく、菌感染症対策でも徹底されている。選手が使う部屋の除菌はもちろん感染症が衣類を通じてうつるリスクを下げるため、選手につき1台の洗濯機を使うことはファンの中でもお馴染みとなっている。

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その事実を昨年のツールレビューで紹介したことを受け、ファンから「洗濯機を持ち込むならば毎ステージ新しいジャージやソックスを用意すればいいのではないか?」という質問に対し、ランスが答えた。

ランス:(同じキットを)毎日使うわけではないが、選手が着る回数の多さにきっと驚くだろう。

ジョージ・ヒンカピー:君はたしか新しいショーツを着るの嫌いだったよね?

ランス:そうだ。キットはTシャツと同じようなものだ。一枚のTシャツを何回も着ていると、ある時点で完璧に柔らかく自分の身体にフィットして、「このTシャツは俺のもの」と実感する時がくるだろう?キットも同じだ。

俺はどんなキットであろうと袋から取り出して身につけることは絶対にない。着る前に複数回洗ってから着用する。

補足)ランスの毎度お馴染み「質問の答えてる様に見えて全然答えになっていない」ので補足すると、着心地では着古したものの方が良いということで、またレースウェアだけならば毎ステージ新しいものを用意することも可能だろうが、選手のそれ以外の普段着や下着も洗濯しなければならないので、各選手専用の洗濯機は合理的なのかもしれない。*今ツールでイネオスが例年通り8台の洗濯機を持ち込んでいるかは確認が取れなかった