プロ選手に五輪 (オリンピック) とか必要なくね?

ランスがまた何か言ってるぞ。

2019年シーズンが終わり来年7月25日に迫った東京五輪ロードレースの各国の出場人数発表され、日本男子ロードは主催者枠の2枠が割り当てられることとなった。

その限られたポジションを争うのは、今季絶好調で現在256.8pとトップをいく宇都宮ブリッツェンの増田成幸。それを追うのはバーレーン・メリダと1年の契約延長を結んだ新城幸也(191p)。そして来年よりプロコンのデルコ・マルセイユ・プロヴァンスに加入する石上優大(161.5p)などだ。また、来季から同選手と同じチームでありアマチュア時代の古巣に移籍する別府史之も、プロコンにカテゴリを下げトレックでは難しいUCIポイントを狙う。(2019.11.29 現在)

そんな出場権争いが白熱する五輪だが、ランス・アームストロングはそもそも「プロ選手は五輪に出場するべきではない」と主張する。その理由を自身のポッドキャスト番組で語った。

五輪はアマチュアの大会

「何度も言っているが、オリンピックなんて誰が気にする?オリンピックはアマチュアの大会だ」

自転車ロードレースはオリンピックでは1896年より行われている歴史のある競技だが、1992年まではアマチュア選手に出場が限定され、1996年のアトランタ大会よりプロ選手の出場が可能になった。

「自転車競技におけるF1はツールだ。オリンピックのことなんて気にする必要はない」

「(プロ自転車ロードレースは)五輪に関わるべきではないし、(五輪に)固執するべきでもない。対等であるべきだ」

自転車界はこれまで五輪(主催組織IOC)と一定の距離感を保ってきたが、2017年にフランス人ダヴィ・ラパルティアンがUCI(国際自転車競技連盟)会長に就任して以降、五輪が好むであろう男女競技である男女混合リレーを世界選手権に突如として取り入れるなど、急接近していることが複数のメディアによって指摘されている。

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オリンピックがツールに与える多大な影響

また、2020年ツール・ド・フランスは東京五輪の日程を鑑みて例年よりも1週間早い6月27日に開幕する。それにより閉会する7月19日から東京五輪ロードが行われる7月25日までに期間が生まれ、選手は両方の出場が可能になる。しかしツールで総合順位を争う選手は、自ずと東京五輪でのメダルを断念せざるを得ないのが現状だ。

「現状、自転車ロードレース界はIOCやUSOCなどに完全に抑えられている。俺たちはF1であるべきなんだ。」

五輪が及ぼすこの影響は大きく、今年ツールで大活躍したジュリアン・アラフィリップ(フランス/27歳)が早々にツールの総合順位ではなくステージ勝利と五輪に向けた予定を発表し、ヤコブ・フルサン(デンマーク/34歳)ロマン・バルデ(フランス/29歳)なども、ツールではなく五輪に向け調整をすると明言した。

そしてランスは五輪がワールドツアーを走るプロ選手に影響を及ぼす事態はあってはならないと主張する。

「完全に独立していて、相反するものであって、独自の組織とルールなどすべてにおいて(五輪から独立するべき)だ」。

「作るべきなのはNFL、MLB、NBEだ。わかるだろう?」