クリス・フルームが、2012年ツール・ド・フランスでブラッドリー・ウィギンスを総合エースとして信頼することが困難だった、と発言した。それに対してウィギンスは、自らのポッドキャスト番組『The Bradley Wiggins Show』で、反論した。
↑発端となったクリス・フルームの発言はコチラから。
そういう世界だった
ーー ニコ・ロズベルグのポッドキャストでクリス・フルームが「2012年ツール・ド・フランスで彼(ウィギンス)を信頼することが難しかった」と発言しました。番組では、ロズベルグとハミルトンの関係と、あなたとフルームとの関係を比較して、同チームで力ある二人の関係について語っていました。
ブラッドリー・ウィギンス (フルームはあの時そう)言ってくれればよかったのに。
ーー 笑。
ウィギンス それはあくまでもクリスの意見だ。そういう世界に俺たちはいたわけだし、あの時チームと最も良いコミュニケーションを取っていたのが俺だった、ということなのかもしれない。
俺は(2011年)ブエルタ開幕6週間前に鎖骨を骨折していて、調子もあまり良くなかった。プレートも入っていたから、思ったように乗れていなくて、正直総合エースという立場も期待していなかった。
予期しない立場で言えば、クリスも同じだっただろう。彼も(俺に代わって)エースを任されるとは思っていなかったはずだ。それがブエルタの第二週目で、二位に立ったんだ。
契約延長を進言したのは俺だ
ウィギンス そもそもブエルタ開幕日に、デイブ・ブライルスフォード(スカイGM)が俺のところにやってきて「(フルームと)契約を延長しないつもりなのだが、ブラッドはどう思う?」って聞いてきたんだ。
俺は「(初日の)チームタイムトライアルで力を証明したのだから、延長しておけばいいんじゃないか?」って言ったんだ。彼に力があるのは分かっていたし、実際そうだっただろう?
そうやってチームは機能するんだよ。
ブエルタでは最後の数日間をクリスが2位、俺が3位をキープした。それが彼のキャリアを押し上げ、自信にもなっただろう。
ここで俺は彼をコケ落としたりしない。素晴らしいアスリートだと思うからな。でもあの時、俺たちがいた世界がそのようなものだったんだ。
2012年ツールで負けるわけがなかった
ーー そもそも2012年のツール・ド・フランスは、タイムトライアルの重要度が高いコース設定でした。つまり、あなたに有利なコースレイアウトでした。だからスカイはあなたをエースに選んだんですよね?当時タイムトライアルの力では圧倒的だったあなたを。
ウィギンス そうだな。その年は個人TTで負けなしだった。パリ〜ニース、イル・ロンバルディア、ドーフィネと全てで勝利した。ツールも残り数日まで3分差をつけて首位にいたんだ。それに、最後(第19ステージ)には53kmの個人タイムトライアルも控えていた。つまりそこから崩れる要因なんてなかった。その時は鎖骨も治っていたし…
…まぁ、あまり問題を起こしたくないから、この辺にしておこう。相手はツールを4回勝っていて、今年も5回目を勝てそうな選手なんだわけだし。
俺はツールを勝ったんだ
ウィギンス 俺もヤツも、勝ちに飢えて競い合っていたんだ。それにヤツは契約のために必死になっていた。ルームメイトだった時に色々と話したけど、ガーミン・キャノンデール(現EFエデュケーション・ファースト)に移籍する話をしていた。だが、ブエルタで総合二位になり、ブライルスフォードが延長契約を申し出たんだ。
これが俺たちがいた世界だ。何も保証されない。お互いの背中を見張っていたが、逆にデイブ(ブライルスフォード)からの激しいプレッシャーの中、みんなが激しく争ってもいた。いまのスカイもそうだけどな。チーム内で有力選手同士が競い合って、上手く行くときもあれば、もちろん選手同士の信頼がより重要な時もある。
あれはクリスの意見だし、俺もあの時と同じ人間じゃない。
たしかにブエルタの最終週の俺はクソな状態だったが、その後のツールでは勝ったんだ。
Source: The Bradley Wiggins Show