嫌われ者のイネオス、母国イギリスで歓迎されないワケ

イネオスを新スポンサーに迎え新しいスタートを切った、チームスカイ改めチームイネオス。

5月2日に開幕したツアー・オブ・ヨークシャーで撮影された写真が、注目を集めている。

「アンチ・フラッキング」
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大会前の様子を捉えた写真には「FRACK OFF」と書かれたプラカードを掲げた環境活動家たちが、イネオスのジム・ラトクリフ会長の顔を悪魔(デビル)に模したお面を手に抗議する様子が記録されている。

プラカードやTTシャツには「毒に侵されたチームイネオス」「フラッキングなんてあり得ない!」「税金払え、フラッキングやめろ」「ヨークシャーは歓迎していない」などの文字が並んだ。

取材したガーディアン紙によると、イネオスのチームバスの周りには抗議者たちが集まり大声でフラッキング反対を訴え、ビラも配られたという。

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この抗議活動の背景には、スポンサーである化学メーカーイネオスが行うフラッキングへの反対がある。

反イネオス運動はなぜ始まったのか
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フラッキングとは、水圧破砕法と呼ばれるシェールガス/シェールオイルの採掘法であり、シェール層の岩盤に人工的な割れ目を作り、そこに砂や化学薬品と混ぜた高圧の水を大量注入し、内部の原油や天然ガスを採取する技術である。

これにより従来の方法では不可能だった層の採掘ができるため、原油生産量が大きく伸び、かつ安価になった。

しかしそれには大量の水を必要とし、さらに毒性を含む約600種類にものぼる化学薬品を使用するため、人間や生物への悪影響も懸念されている方法と言われているのだ。

こんなの不公平だ
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抗議に対してチームのエースであるクリス・フルーム(33歳/イギリス)がコメントした。

(抗議している人は)ニュース番組のメインキャスターに「番組のスポンサーが誰であるか」と問いかけるだろうか?

僕たちだけにスポンサーのことを聞くのはダブルスタンダード(不公平)じゃないだろうか?

プロトンの中には(イネオスの他にも)エネルギー供給会社がスポンサーするチームがいるのに、彼らに何も言わず僕たちばかりを質問攻めにするのは、公平だと言えるだろうか?

さらに、チームウィギンス所属のシクロクロスU23王者であるトム・ピドコック(19歳/イギリス)も「スポーツにとっては良くない光景だ。そうは思わない?」と、スポーツの政治利用を批判した。

Source: The Guardian, CyclingNews, CyclingWeekley