新型コロナウイルスの影響のなか、暇を持て余した(?)選手たちによる発信が著しい。
特に現イギリス個人TTチャンピオンのアレックス・ダウセットはYoutubeを通して積極的な情報発信を行っており、愛用するBONT(ボント)のビンディングシューズとSPEEDPLAY(スピードプレイ)のペダル&クリートについて語ったエピソードが興味深かったので紹介したい。
Speedplayの利点
今季、カチューシャ・アルペシンからイスラエル・スタートアップネイションに加入したアレックス・ダウセット(イギリス/31歳)は、過去4度イギリス個人TTを制している現役王者(2011~13,2019年)。
そんな空力厨のダウセットが今季より使用しているのが「BONT Zero+」、そしてプロトンでも少数派というSpeedplayのペダルだ。
この二つを選んだ理由を「足裏からペダル軸までの距離」だとダウセットは語る。
via:speedplay.com
彼いわく、Speedplayのクリートを装着した場合、靴底からペダル軸までの距離がシム(3つ穴から4つ穴にする変換プレート)を除くと8.5mmになるのだと言う。
これはプロトンの2強であるSHIMANO SPD SLの13.7mm、LOOKの17.1mmと比べると圧倒的にその距離が短くなる。via:Youtube
つまり、たとえばSHIMANOからSpeedplayにペダル・クリートを変えるだけで、5.2mmも全体のポジションが下がる計算になるのだ。
BONTの利点
BONTのビンディングシューズを履く理由も、ソールの薄さにあるという。
ダウセットによれば、BONTSは世にあるどのビンディングシューズよりも靴底が薄く、作年まで使っていたSIDIに比べ半分程度(2.5~3mm薄い)なのだそうだ。via:Youtube
つまり、例えば「SHIMANOペダル × CIDI」から、「Speedplayペダル × BONT」にするだけで、合計で12~13mmもペダル軸に近づき、その分サドル高とハンドル高を下げられる(空力の良いポジション)ということになる。
ちなみに、BONTはSpeedplay独特の4つ穴に対応していないため、特注で穴を空けてもらっている。
ただダウセットの場合は右脚の方が長いため、右足のシューズだけ穴を空け変換シムを外し、左足は3つ穴から4つ穴にする通常の変換シムをつけることで、両脚の長さを揃えている。
またBONTはソールがフラットで表面にディンプル加工がされており、Zero+はフラップカバーがついてよりエアロなことが気に入っている点なのだという。
ダウセットは動画の最後で「これまでMAVICやボントレガー、SPECIALIZED、CIDIなどを履いてきたが、結局のところBONTに戻ってきてしまう」と語っている。
Speedplayといえば、ひざ痛に悩む人が使ってるイメージしかなかったが、ペダル軸からソールまでの距離とは…いままで考えもしなかった。