移籍で干された男たち。ランスの2019年ツール第4stレビュー

最後の10分しか面白くないと揶揄されるにふさわしい213kmの平坦基調の第4ステージは、来季CCCへ移籍の噂があるドゥクーニンク・クイックステップ所属エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア/30歳)がツール初勝利を上げた。

 

スプリントステージのレビュー全然盛り上がらねー!!

…ということで、特筆するべき内容がなかったので勝利したヴィヴィアーニに関するランスの言葉を原文を交えて紹介。

やつのポジション(フォーム)がすごく…俺はあの体勢で30秒しか乗れないだろう。
His position is so… like, I could ride like that for maybe 30 seconds.

やつはとても背が高く脚も長いだろうが、とてもエアロ(ポジション)だな。
He’s a very tall kid. Must have really long legs, but so Aero.

そして忠誠心に厚い。アスタナで一緒だった時、やつは若い子どもだったがいいヤツだった。
And very loyal. I mean he was a young kid when we were on the team with him at Astana, and he was just a good kid.

移籍のせいで干されている選手一覧

こんな少ない文字数で公開するのも気が引けるので、所属チームと契約延長しなかった(=他チームと移籍合意した)ためツールに出場できなかった選手たちを紹介。

ジョン・デゲンコルブ(トレック/ドイツ/30歳)Embed from Getty Images

昨年ツール第9ステージの石畳で見事な復活勝利を上げたデゲンコルブだが、ロット・スーダルへの移籍で合意したことによって今ツールは選考外となった。その理由を本人は「リッチー・ポートの総合順位争いに注力するため」と説明したが、移籍が決定打になったことは明らかだろう。

フィリップ・ジルベール(ドゥクーニンク・クイックステップ/ベルギー/37歳)Embed from Getty Images

今季パリ〜ルーベを制したベテランも、来季はロット・スーダルと3年契約を結んだと報道されている。ベルギー開幕のツールにベルギーの英雄を連れてこないということは、ドゥクーニンクによる相当な引き止め交渉が決裂したと思われる。しかし、衰え知らずとはいえ37歳の選手に対して3年契約をオファーするロット・スーダルの決断を称えたい。

ちなみにロット・スーダルはカンペナールツとの契約延長交渉が難航していることを公に発表しており、デゲンコルブ&ジルベールという大型補強に来年のクラシックに期待が高まる。

ケニー・エリッソンド(イネオス/フランス/27歳)Embed from Getty Images

フルームの不出場で空いた枠に入ると予想されていたエリッソンドだったが、チームは今季不調のジャンニ・モスコンを選んだ。もちろん今ツールにはチームTTがあるため、よりTT力があり平坦でも戦力になるモスコンを選んだという選択に不自然なことはない。しかし開幕後にエリッソンドのトレック移籍の噂が浮上。納得である。

サム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ/ベルギー/28歳)Embed from Getty Images

昨年ジロではステージ3勝でポイントジャージを獲得したベネットだったが、移籍先は明らかになってはいないものの退団が確実視されており、今季ジロのエースも若手のパスカル・アッカーマンに奪われてしまった。もちろんツール出場もなく、現在はブエルタに向けてトレーニングに励んでいる。