クリス・フルームが”育児” を語る。

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昨年グランツール3大会連続総合優勝を果たしたクリス・フルーム(33歳/イギリス)が、2016年ワールドチャンピオンである元F1ドライバーニコ・ロズベルグのポッドキャスト番組に出演し、二人の子どもの誕生による競技生活の変化と、子育てについて話した。

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子ども、というブレーキ

ニコ・ロズベルグ レースで恐怖を感じる瞬間はある?

フルーム 怖さはたまに訪れる。特に子どもができてからは、以前よりもブレーキを握ることが増えた。路面が乾いていれば、コーナーを好きなスピードで抜けられて気持ちがいいけど、雨が降って濡れている下り坂を、時速100km近くで走っているとブレーキがかかるのに2、3秒かかるんだ。クレイジーだよ。

選手同士とても近いし、前の選手が転ぶだけでその後ろにいる20人が巻き込まれるからね。コントロール不可能なのことだ。だから周りにいる選手への信頼が大事なんだ。

ロズベルグ そういう悪い考えは、走っている時によぎったりする?

フルーム ああ、たまにね。最悪なシーンが浮かぶと少しスピードを落としたりもする。自らスリップストリームから離れ、あえて風を受けるコースを取ったりもする。

ロズベルグ それは子どもがまだ小さいから?

フルーム ああ。そういうことするようになったのは、子どもができてからだね。昔みたいな無謀さはなくなったかな。走りそのものが変わったわけではないけど、見えないコーナーを最大スピードで突っ込む前に、ちょっと呼吸を置くようになったね。

家庭と選手生活のバランス

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ロズベルグ 家族の話でいえば、自転車競技でトップで居続けることによって犠牲にするものも多くなってくるよね?

どうやってバランスとっているの?いまのバランスに満足している?

フルーム それについては、妻に最大限の称賛を与えなければいけない。

ロズベルグ 僕の妻にも、そう思うよ。

フルーム 彼女は一人でなんでもできるし、僕が離れていても立派に生活ができるんだ。基本的に一人で二人の子どもを育てている。たとえ僕が家にいるときでも、トレーニングに専念するために別の部屋で寝ている。一日中ロードに出てトレーニングから帰ってきて、疲れ果てて子どもと遊ぶ体力は残っていない。食事を取って、ゆっくり回復に充ててる。

彼女にとって(そういう生活は)大変だろう。でも彼女は見事にこなしてくれている。感謝しているし、彼女のおかげで僕はやるべきことに100%集中できている。このスポーツのトップに居続けることができているんだ。

ロズベルグ 全ての母さんを尊敬するよね。

フルーム 本当そうだよ。

ロズベルグ 信じられないぐらい大変なことをしてくれている。

赤ちゃん>ツール?

フルーム 今冬のオフシーズンに、数週間トレーニングをしない完全なオフをとったんだ。だから「毎日トレーニングしていないのだから言い訳はできない」と思い、その当時生後1ヶ月だった娘の夜の面倒を、数日間見たんだ。

母親という存在に対して、とてつもない尊敬の心が生まれたよ。だって赤ちゃんって3時間ごとに起きるんだよ?

ロズベルグ その後すぐにトレーニングに戻った?

フルーム そうそう。即再開だよ。

ロズベルグ 笑。

フルーム 冗談だけど、本当に尊敬するよ。大変な仕事だ。

ロズベルグ 子どもの存在によって、引退後の生活について考えさせられた?引退すれば一緒に過ごせる時間が長くなるわけだし。

フルーム ああ、そうだね。子どもたちが歳を重ねていけば、父親ができることが増えてくるだろうし、そういう時間が楽しみだよ。でも、そのために僕のキャリアが短くなるということはないと思う。

僕自身が自転車を楽しめている限り(現役を続けるし)、まだ競技に集中できない状態には、まだなっていないからね。だから、できる限り続けるつもりだよ。

Source: Nico Rosberg Youtube channel