シャンパーニュ地方を通過した2019年ツール第3ステージは、最後の3級山岳でドゥクーニンク・クイックステップ所属ジュリアン・アラフィリップ(フランス/27歳)が飛び出し、約16kmを独走してメイン集団と26秒差をつけてステージ勝利を上げた。
圧倒したアラフィリップ
ランス・アームストロング:バイクレーシングが今日のようなレースばかりだったら、もっと多くの人が観るだろう。俺も今日は「なんだこれ?クソおもしれーな!」って感じだった。
最終の3級山岳ミュティニー峠で集団から飛び出したアラフィリップは、1分差で逃げていたティム・ウェレンスを頂上通過直後に捉えた。報道によると、2分50秒を平均488Wを出し登ったという。
ランス:誰も今日のアラフィリップにはついていけなかっただろうな。
ジョージ・ヒンカピー:もし彼が総合争いに加わっていれば一人や二人はついていけたかもしれないね。だけど総合を争う他のチームの選手にとって「ついていけるかもしれない」と「ついていきたい」は違うからね。彼についてくのなら本気じゃないと無理だろう。
ーーつまりアラフィリップは3週間もたない(脅威ではない)選手だと思われているの?
ランス:それがプロトンの総意だろうな。
スーパータック禁止!
アラフィリップの見せ場は独走してからの下りだった。得意の下りでプロトンとの差を約40秒近くまで広げ、残り5km地点の急勾配な登り後の下りで縮められたものの、その後の下りで再びリードをつくった。
ランス:スーパータック(モホリッチスタイル)は禁止すべきだ。(アラフィリップは)プロトンでトップ3には入るバイクコントロールの上手い選手だが、やつは今日レベルを一段上げてきた。やつはスーパータックのまま後ろを振り向いたんだ。信じられない!絵文字であっただろ?猿が目を覆っているやつ。あんな気分だったよ。
しかし、俺たちはこのTシャツを作った。「ZERO TUCKS GIVEN(スーパータック禁止)」だ。
ヒンカピー:アラフィリップのアタックからフィニッシュまでを分析すると、(ミュティニー峠の)最後の40mの登りで(メイン集団から)10秒離して、下りで30秒を稼いだ。つまり約1.5kmをスーパータックで離したことになる。コーナーもセンチ単位でラインを攻めていた。
ーーツール開幕前から試走して(アタックを)計画していたみたいだね。
ランス:集団がブレーキをかけていたゆるいカーブでアラフィリップだけはブレーキかけないんだから、一つのカーブで2〜3秒は稼げるだろう。
Name a better descender than @alafpolak pic.twitter.com/LisMX4HBpy
— GlobalCyclingNetwork (@gcntweet) July 10, 2019
ランス&ヒンカピーの質問コーナー
ーーさてリスナーからの質問を答えてもらおうか。君たちが現役時代にプロトンで一番おもしろい選手は誰だい?
ヒンカピー:マーク・カヴェンディッシュがチームメイトの中では一番面白かったかな。
ランス:お前はあいつに惚れてんのか?
ヒンカピー:かもね笑。でも本当に彼は面白いんだよ。しかも特に笑いを狙っているわけじゃないんだ。
ランス:マジで言ってるのか?俺もやつは好きだが、そこまで…
ヒンカピー:あとブラッドリー・ウィギンスも面白いやつだったね。君はレース中に真剣過ぎて笑わないから(面白かった人が思い当たらないの)だよ。君以外の選手はレース中でも楽しもうとしていたからね。
ランスのお気に入りログリッチェ不在の理由
ーー去年の番組で「大会中に選手は奥さんや彼女と関係を持ったりするのか?」って質問を覚えてる?
ランス:ああ。そんなのあったな。性的な関係のことだろ?
ーー彼から今年も質問がきて「昨年、君たちのお気に入りだったログリッチェが今年は不参加だ。それについてはどう思っている?」ということなんだけど。
ランス:まぁ(不参加の理由は)三つあって、一つ目はツアー・オブ・イタリー(ジロ・デ・イタリア)を走ったことだ。グランツールを二連続ってのは厳しい選択だったりもするからな。
もう一つはツイッターで見た情報だから合っているといいが、子どもが産まれたみたいだな。出産予定日もわかっていただろうし、(ツールよりも)ジロ出場の後に赤ん坊と時間を過ごすコンビネーションを選んだんだろうな。
だが、今頃寝不足でおしめを変えながら「ツールに行っておけばよかった」って後悔してるかもな。笑
Source: Cyclowired, Cyclist