2017年のツール・ド・フランス期間中に突如始まった、幻のツール7連覇者ランス・アームストロングによるポッドキャスト番組『THE MOVE(旧:THE STAGES)』。
今年2018年は、アメリカ国内の企業から沢山のスポンサーを加え、潤沢な環境で配信が始まった番組を、一部抜粋し(多少の意訳を加え)翻訳しました。
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ーー今日のレースは…面白かったね。予想に反して。
ランス・アームストロング:
例年ならプロローグと呼ばれるステージがある。開幕直後の神経質になっている選手たちが走るステージだ。去年は結果的に(過敏になりすぎて)アレハンドロ・バルベルデのようなこと(落車リタイア)になってしまったのだが、雨が降っていたが個人だったから被害はそれほどなかった。
だが今回は、世界のトップ200の選手たちがオープン・ロードを、完璧にフレッシュな状態で毎コーナー、毎ラウンドアバウトで位置を争うんだ。
第1週目は多くの出来事が起こるとは思っていが、まさか1日目からこんなドラマチックになるとは思わなかった。
ーーいくつかの落車があった。言及すべきはラスト10km地点。これが集団を分断した。生き残ったのは50~60人ぐらい?
ランス:正確に言うと、63人の選手が先頭に残った。
ーーその選手たちはトラブルを回避できた。
ランス:先頭の63人の中にはステージ勝者ガヴィリアを含め、フグルサングや、ニバリ、デュムラン、それにクリス・フルームのチームメイトであるゲラント・トーマスも残っていた。ヤツはフルームと共にスカイのリーダーということになっている。
ーーつまりこのツールでタイムの良い方がリーダーだということ?
ランス:そうだ。まぁ、誰が優先されるかは決まっているだろうけどな。だが、チームはゲラント・トーマスに好きに走る権利を与えている。つまり、フルームにトラブルがあっても待たなくてもいいんだ。
ーー自分を優先的に守ってもいいということでね。
ランス:そうだ。そのほかにはバルデや、バルベルデ、ウラン、ダン・マーティン、TJヴァンガーデレンも残っていた。それとランダもだ。
この選手たちが、現時点のトップ10候補だろうな。
逆にクリス・フルームとリッチー・ポートは51秒を失い、キンタナにいたっては1分15秒も遅れた。
まだチームTT(第3ステージの)や、(山岳コースの)第5、6ステージ、石畳の第9ステージをこなす前にタイム差がついた。
マジか!!
今日はてっきり退屈なレースになるかと思っていた。
だが、もし俺がフルームだったら50秒差に居心地の悪さはさほど感じない。不運だった。これが自転車レースだって考えるだけだ。それにみんなジロは観ただろう?
それよりも、今朝読んだ全ての(自転車RRの)ウェブサイトに、「チームプレゼンテーションでクリス・フルームへのブーイング」についての記事があった。
これは別に驚くことではない。分かりきっていたことだし、どうせそれは3週間つづくのだから「はやく慣れちまえ!」って感じだ。
しかし、だ。
今日のレースでは3人が逃げた。
ジェローム・クザン(フランス/ディレクトエネルジー)、ヨアン・オフルド(フランス/ワンティ)、ケヴィン・ルダノワ(フランス/フォルトゥネオ)だ。ケヴィンの父親のイヴァン・ルダノワとは長い間一緒に走っていたな。
そして、ヨアン・オフルドに対して観客はみんな拍手を送ってた。フランス人が逃げているのだから当然だ。自国民を愛するのは当然だ。
しかし、ヤツは2012年に(WADAへの)滞在先の事前報告を3回怠ったために、1年間の出場停止を受けているんだ。
オフルドの1年間の出場停止を伝える記事
おいおい、ちょっと待ってくれ。
高い木(フルーム)だけが風を受けるのは知っているが…
あ…うーん…あぁ…。ふんっ。
プロトンの中に1年も(の長期に渡り)出場停止を食らった選手が他にいるか?
正確には知らないが、、、
おい、みんな。おい!
どーなってんだ、全く。
ーーなるほどね。今回から聴いていくれているかもしれない新規リスナーに、ランス・アームストロングが山岳ジャージに関してどう思っているかを聞かせてあげてくれるかい?
ランス:そうだった!一番速い山岳選手に贈られる山岳賞ジャージを、一番速いわけではない選手に贈ろう!それが今回のツールでも起こる。約束するよ。
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・ランス・アームストロングのことを知りたい人はコチラ↓
これを発売直後に読んでいた人はまだ、後にツール7連覇して全て剥奪されたと知らなかった、と思って読むと尚おもしろい。
・ランス・アームストロングの暗部を知りたい人はコチラ↓
著者であるハミルトンの言っていることが全て事実ではない(らしい)けど、大体合ってるらしいってのがまた面白い。