2019年ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーションにて、ディレクターのクリスチャン・プリュドムが「パワーメーターの禁止案」をASOを代表して訴えた。
この提言にモビスターに所属するアレハンドロ・バルベルデ(38歳/スペイン)とナイロ・キンタナ(28歳/コロンビア)がいち早く反応。
バルベルデ:「パワーメーターを使わないレースが見たい。そうすればもう少し感覚に頼るレースになるだろう。結果は変わらないかもしれないが、改革の手始めとしては悪くない施策だと思う。」
モビスターは今季のツールでバルベルデ、キンタナ、ランダのトリプルエース体制で挑んだが、選手同士の連携の不備や最終週までエースを明確にしない戦術的判断が仇となり、チーム最高位はランダの総合7位、昨年の反省からツールに注力したキンタナも10位という結果に終わってしまった。
バルベルデ:「チームスカイは出力値と速度を使ってレースすることに関しては専門家だ。彼らにその数値は(勝てる)大きな要素だろう。それはスカイがレースをコントロールしている時の方がより明確だ。彼らが先頭を引きつづけられる理由はそれに優れているということもある。パワーメーターを取り上げたら違った結果が現れるのかもしれない。やってみる価値はある。」
今年のツール第17ステージで勝利を上げたキンタナも、バルベルデの意見に賛同する。
キンタナ:「僕がアタックすると、みんながパワーメーターを確認して(その後の展開を)予測できてしまうんだ。」
「もし禁止されたら、僕にもどれだけ影響があるかはわからない。」
「だが、僕は禁止を望んでいる。レースを予測不能にする要素が加わるからね。」
キンタナがパワーメーター禁止を訴えるのは、実はこれが初めてではない。
総合優勝した2016年ブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージ後のインタビューでもこうコメントしている。
キンタナ:「(パワーメーターは)レースからスペクタクルさを取り除き、選手をより慎重にさせてしまう。」
「僕は(パワーメーター)を禁止を主張する最初の選手となろう。」
同レースに出場したチームメイトのバルベルデも、このキンタナの意見に同調した。
バルベルデ:「トレーニングでは有効だが、このスポーツからたくさんのドラマを奪ってしまう気がする。」
「レースは己の感覚で競い合うべきだ。」
スカイ以外の選手がパワーメーター禁止に賛成するのは「スカイのデータの使い方エグ過ぎる」なのか「禁止してもあんま効果ないだろうけど何もしないよりはマシ」なのかどっちなんだろ?
— Sorato | plenty of… (@If_So_Ara) 2018年11月7日
チームスカイはブラッドリー・ウィギンス(イギリス)による2012年ツールの総合優勝以降、ここ7年で6回の優勝を3人の選手で成し遂げている。